気持ちのいい場所をつくりたい
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- 設計競技提案
- 1. 旅から得たモチーフ、着想の原点
- 2. 敷地に立って考えたこと
- 3. そもそも誰のための建築か
- 4. 提案書の作成
SCENE_1 設計競技提案
2. 敷地に立って考えたこと
帰国早々、現地説明会で敷地を見た。収穫は3つ。
- 崖上の台地から望む恵まれた眺望に感激したこと。
- 敷地周辺の状況から、かつてホテルができる以前、この地には棚田が広がっていたであろうと推測できたこと。
- 豊富な温泉を利用した地熱発電所から流れ出す湯が川となり、段々の堰を流れ落ちて行く様を見たこと。
この時点で棚田で行こうという着想が自然と生まれ断面スケッチまではすんなりとできた。あとは配置計画だ。がけ上の集落のイメージが次第に膨らんでいった。棟を分け、そのひとつひとつを並べていくうちにやがてコンセプトは固まった。”地になじむ”、”時になじむ”、”心になじむ”。 そして、チーム内で議論が交わされ、露天風呂は”棚湯”と命名された。そこにはアジアの原風景、集落、時間、情緒、といった想いが集約されていた。チーム全員で共有できる言葉があるということは、計画をまとめる上で何より大事なことだ。
敷地周辺の風景
地熱発電所から流れ出る湯の川
海へと続く棚田のイメージ
棚湯のイメージ