気持ちのいい場所をつくりたい
SCENE_2 コンペ当選から変更提案
現地説明会に参加したのは34社、そこから設計実績等でふるいにかけられ最終的にプレゼまで至ったのが14社、その中には我々と同じ総合建設業もいれば設計事務所、広告代理店までいた。そしてプレゼから2週間後、1位当選の通知が届いた。棚湯という単純明快なコンセプトが伝わったことと計画の堅実さが評価されたのではないかと思われた。しかし喜ぶのもつかの間、クライアント側から「商業施設としての派手さやエンターテイメント性に欠けるので再提案せよ」という条件付の当選であることが伝えられた。ここからが試練の道であった。それまで全く考えていなかった、一見これまで積み上げてきたコンセプトと相反するとも言える新たな視点が加わったからだ。ホテルの再生事業としてインパクトのある施設が欲しいというのは当然といえば当然である。湯滝、巨大水車、からくりの湯等、外部へアピールするための仕掛けを次々提案するもなかなか現実的な提案にならない。しかし、グループ総動員体制で汗を流して取り組んだ結果、屋根の形を変えるという修正案を編み出し、再プレゼでGOサインを頂くことができた。結果的にはここで設計内容がもまれたことで、建築としての魅力がより深まったと言える。
コンペ提案時
巨大水車案
最終変更提案