一地球人(いちちきゅうじん)としての建築設備エンジニア
- 新技術の開発
- 1. 新しいダブルスキンの開発
- 2. T-Facade Air (コンパクトダブルスクリーン)の開発
- 3. 新商品の普及を目指して
SCENE_3 新技術の開発
1. 新しいダブルスキンの開発
SCENE_2で、理想のカタチを追い求める熱意が大切だ、と言いましたが、理想を追い求めるだけではアイデア止まりになってしまいます。出てきたアイデアを現実の建築や製品に結び付けるには、そこから更に様々な検討をしていかなければなりません。ここでは、私が携わった新しいファサード技術の開発について紹介したいと思います。
皆さんは、『ダブルスキン』という窓システムをご存知ですか?下に模式図を掲載しましたが、その名の通り、外壁を2重のガラスで覆うというものです。2重のガラスの間には、ブラインドや庇が設置されており、夏場は熱い日射をこれらで遮蔽しながらガラスの間を自然換気することで熱を排出し、冬場は温室の様に暖気をガラスの間に閉じ込めます。つまり、夏は涼しく冬は暖かい、高い快適性と省エネルギー性を両立できる、優れたシステムと言えます。これはすなわち、快適性を維持しながら、冷房や暖房に使うエネルギーを節約できることを意味しており、地球環境に優しい技術と言えます。では何故、世の中の建物がみんなダブルスキンにならないのか?それは、2重の外壁を構築する為、コスト面や施工期間の長期化といった問題を抱えているからです。つまり、どんなに理想的な技術を考案したとしても、コストや施工の容易性といった現実的な問題をクリアしなければ、その技術は普及していかないのです。
ダブルスキンシステムの基本概念