愛着あるモノ
SCENE_2 千葉 215m2のプレート
静寂と光を誘い込む肌粗いコンクリート壁。
千葉駅前、幹線道路沿い、都市の喧騒に屹立する集合住宅のアプローチ雁壁だ。
当時、親子ほど年の離れたディベロッパーの担当者から、「こんな落書きされる壁はないほうがいいよ。仕様どおり歩道境界にはフェンスをはりめぐらせようよ。」と説得されたのを覚えている。
自分としては集合住宅の前庭として、近くにある駅前のケヤキ並木を連続させた公開空地をつくり、ケヤキの影を映しこんだ内外を緩やかに分ける境界面をつくりたかったのだ。
数々の模型に、パース、時にはアニメーションを見せて、粘り強く提案をしつづけた。
今、雁行する壁面の間隙に竹庭とイロハモミジの庭を組み入れた現在の姿が完成している。