one structural engineer
SCENE_3 中央合同庁舎第7号館
3. コストと性能の両立

- 上部構造は鉄骨造とし、地震エネルギーを効率的に吸収するとともに経済性にもすぐれた座屈拘束型ブレースを採用する。
- 地上部のCFT柱にはFc=90N/mm2の高強度コンクリートを使用し、鋼管の鋼材量を合理的に低減する。
- 火災時の詳細な耐火性能検証を行い、鉄骨部材の耐火被覆厚を低減する。
- 地下の逆打ち工事で打設する、本来ならば仮設材であるはずの構真柱および杭を本設部材として利用し、基礎の合理的な設計を行う。
- 屋根の一部に新材料であるダクタル(超高強度繊維補強モルタル)を用い、構造体と仕上げ材が一体となった屋根板を構成する。
ただし、これらの技術を採用するとしても、当然そこには国の定める「要求水準」という高い目標性能があるわけで、いかにこの要求水準を守りながら技術力を生かしてコストを下げていくかというところが最も難しい点であったと思います。