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YOUNG ARCHITECTS & ENGINNERS / STUDENT SQUARE

Space Structure

SCENE_3 プロジェクト
3. しもきた克雪ドーム

しもきた克雪ドーム パース
しもきた克雪ドーム パース しもきた克雪ドーム 屋根架構模型
しもきた克雪ドーム 屋根架構模型 しもきた克雪ドーム 全体模型
しもきた克雪ドーム 全体模型
“しもきた克雪ドーム”はコンペの段階から主担当として参加したプロジェクトです。しかも、原広司先生とのコラボレーションです!このプロジェクトでは数多くのことを学びました。中でも原先生の設計手法が理論的でありながらも非常に“純粋に”感じられたことは、私の設計に対する考え方に大きな影響を与えました。しもきた克雪ドームの屋根形状は平均曲率一定の曲面(シャボン玉でできる曲面です。)を採用していますが、原先生はその形状を理解するために数学の本を何冊も解読し、自分なりに納得されて初めて設計を進められました。原先生と一緒になって難しい数式をあれこれと議論したのは楽しかったですね。(正方形の底面に半球を融合させたような非常にシンプルな形状なのですが、何人かの数学科の先生に問い合わせても、明解な答えは返って来ませんでした!)また、原先生は、私の提案した構造架構の合理性をひとつひとつ確認されただけでなく、モジュール、形態、建築・設備計画等との関係を漏れなく、そして丁寧に意味付けられました。そこから逆に構造架構のアイデアが生まれてきた程でした。感覚的ではなく、理論的に建築のデザインをひとつひとつ決定していくその手法は、まさに私が探していた設計手法そのものでした。(私はそう感じたのですが、実は原先生の頭の中では直感的にイメージが既にできていて、それを単に整理していただけかもしれませんね。)デザインをするとはこういうことか、ひとつの回答を頂いた気がしました。コンペで最優秀を受賞したときの喜びはいまも忘れられません。同時に建築・構造・設備は一体となり設計することの重要性を知りました。


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手前味噌ですが、大空間建築に限らず、実務での耐震設計をわかり易く解説しています。構造設計を目指す人は是非読んでおいて欲しいですね。