Space Structure
SCENE_5 アーキテクト・エンジニアを目指す学生の皆さんへ
建築デザインは感覚的なものではないか?今でもやはりそう思うときがあります。しかし、社内・外の多くのアーキテクトと一緒になって設計を行うにつれ、彼らが独自のアイデアやデザイン手法を数多くの経験の上に構築しているのだなあ・・・と実感してきました。
構造デザインも同じだと思います。建築デザインより数値化される部分はあっても、設計者それぞれの経験や技術力、アイデア、・・・そういったものが集結し、独自の構造デザインが創られるのだと思います。設備デザインも同じでしょう。
ただ “独自の構造デザイン”も、“優れた建築作品”になって初めて“優れた構造デザイン”になります。そのためには、建築、構造、設備、インテリア、施工、・・・全てがうまく調和する必要があります。また、設計者の自己満足に終わってもいけません。その建築作品を実際に使う方々にとっても、“優れた建築作品”であることが、実は一番大切なことではないかと思います。
ですから、皆さんがどういう専門分野に携わるにしても、建築に限らず様々な分野の広い知識や思想をできる限り吸収しておくことが大切なことだと思います。いろんな人々と交流を深め、様々な考え方を学ぶと良いと思います。
建築の設計は、知識や経験も重要ですが、柔軟で自由な発想も必要な創造的な作業です。正解がない分非常に困難ではありますが、楽しく、やりがいのある仕事だと思います。何らかのプロジェクトで皆さんと会えることを楽しみにしています。
おすすめの本
ルイスカーンとの十八年
オーガスト・E・コマンダント 明現社
ピーター・ライス自伝 あるエンジニアの夢みたこと
ピーター・ライス 鹿島出版会
どちらの本も少しばかり著者の自慢話ですが、アーキテクトが求めるものを理解し、一緒に最良の構造デザインを考えていることがよくわかります。
- 水谷 太朗 TARO MIZUTANI
- 映画以外もスポーツ観戦が大好きという水谷。サッカー、アメフト、ゴルフ・・・。スポーツ観戦時にはついつい競技場そのものにも目がいってしまうらしい。そんな彼の最近の悩みは、運動不足が続いている事だそうだ。次期研究テーマは?と聞くと「おなかのドーム形状をどうシェイプするかです。自然界における最適形態の成り立ちがわかれば・・・」