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YOUNG ARCHITECTS & ENGINNERS / STUDENT SQUARE

cubic M

SCENE_3 プロジェクトを振り返って2
古道:
非常に革新的な案だと思いました。自分も商売していますから、魅力がないと客に来てもらえないことは身にしみています。周りと同じではダメ。だからメゾネットが非常に気に入りました。若い人には是非こういうところに住んでほしいと思いましたね。もうひとつ興味があったのは、3階から上には柱がないってことです。それは建築に興味があったからで、普通の人だったらわからないでしょう?
中藤:
そうですね。
司会:
プロジェクトでは、中藤さんがパンフレットを作ったと聞きましたが?
中藤:
ええ。自分の設計趣旨をさりげなくちりばめたパンフレットを作りました(笑)それをデベロッパーの三井不動産住宅リースが販売用のパンフレットに転用したんですが。
河野:
パンフレットで、あの建物はリアルバルコニーって言葉で語られているわけです。マンションにはバルコニーがあって、この建物ではバルコニーをこんな風にしたよって切々と述べられていて。機械を置かないほうがいい。室内の壁がそのまま外に繋がっていたほうがいい。床もゾロでいったほうがいい。そうすることによって普通のマンションにある負の要素が一つ一つなくなっていった。それを見て古道さんをはじめ皆が「うん、そうだよね」って妙に納得させられましたね。
古道:
それには伏線があるんですよ。店の設計でも、中から軒までストレートにつなげたりしています。商売上、間に柱なんてないほうが良いんです。だから、中藤さんが言ったリアルバルコニーって、全然不思議じゃないんですよ。多分中藤さんが言いたいことも、彼が言った通りではないでしょうが、理解出来ているのだと思います。

(次ページに続く)