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YOUNG ARCHITECTS & ENGINNERS / STUDENT SQUARE

one structural engineer

SCENE_2 下積み修行時代
3. 産みの苦しみ

このプロジェクトは設計中の苦労もさることながら、やはり施工段階での「産みの苦しみ」を身をもって経験した建物です。建築主は今を時めく会社のオーナーで、自分の夢を明確に持っており、自分がイメージする空間は手間暇がかかっても必ず実現したいというこだわりの強い人でした。
紆余曲折がありながらもなんとか設計が終了し、やっと着工にこぎつけたのも束の間、やはりそこはこだわりの強いオーナーであるため、様々なリクエストが設計者に向けられます。設計者も施工サイドもなんとかオーナーの夢の実現に向け、皆で一丸となって全力投球を続けますが、変更に次ぐ変更で、設計者も施工者も、まさに戦争のような忙しさ。週に2,3度は朝一から深夜まで作業所事務所に缶詰状態になり、設計者と施工者、関連業者が三つ巴で打ち合わせし、順次物事を決めて行きますが、翌週には再度の設計変更でやり直し。残るのは部材発注しながら使用せずに終わった鉄骨の山々。。。さらには、ほぼ毎日のように届く鉄骨工作図との戦い。ボツになったプランを含めると、一体何百枚の工作図をチェックしたことでしょうか。
ほぼ半年間にわたりそのような日々が続き、ようやく建物が上棟した時は本当に感無量でしたが、一つの建物を産み落とすためにこれほど苦労するものかと骨身に染みて感じたプロジェクトでした。。

9F PLAN
9F PLAN
10F PLAN
10F PLAN

11F PLAN
11F PLAN
12F PLAN
12F PLAN

セットバックするテラス。この形に落ち着くのに何度変更を重ねたことでしょうか。。