2006.11 「2006年度 グッドデザイン賞」受賞
財)日本産業デザイン振興会は10月2日、「2006年度 グッドデザイン賞」の受賞結果を発表いたしました。 記念すべき50回目である今回、建築・環境デザイン部門で当社設計・施工の「林・読売新聞販売店」「横河電機株式会社金沢事業所」「MIKIMOTO Ginza2*1」が受賞作品に選ばれました。
「グッドデザイン賞」は、1957年に通商産業省によって創設された「グッドデザイン商品選定制度」を継承し、1998年より(財)日本産業デザイン振興会の主催事業となったわが国唯一の総合的デザイン評価・推奨システムで、グッドデザイン賞審査委員会による審査の結果、優れたデザインと認められた応募対象に贈られます。
今回の3作品の受賞により、当社の高いデザイン性と機能性が評価されました。
- *1
- 設計担当詳細は各作品紹介ページをご覧ください。
グッドデザイン賞:
https://www.g-mark.org/
【グッドデザイン賞 建築・環境デザイン部門】 林・読売新聞販売店
有限会社常勝を建主とし、1F:作業スペース、2F:事務室、3F:社長室及び寄宿舎を配した読売新聞販売店です。計画当初は可能な限り同一フロアに収める要望のあった作業スペース・事務室等の諸機能を、フットプリントの制約から「折り曲げられた一枚の構造体」に織り込む事で同義としてとらえ、計画を行いました。一見、不規則に思われる「壁から床へ、そしてまた壁となり、最終的に屋根となる収まり」については、端部に至るまで必要となるt=145mmの構造体をXY軸に続くS軸として扱い明快に収めました。
(共同受賞者:有限会社常勝)
[デザイナーより]
計画当初は作業スペース・事務室等の諸機能を、可能な限り同一フロアに収めたいという要望がありました。ただ、フットプリントの制約から物理的に不可能であったため「折り曲げられた一枚の構造体」に全てを織り込む事で同義として捉えて頂き、計画を行いました。その結果、コンセプトと形態そして構造方式までもが統一されたデザインとする事ができました。
林・読売新聞販売店 | |
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建築主 | 有限会社常勝 |
所在地 | 埼玉県さいたま市岩槻区 |
用途 | 新聞販売店、寄宿舎 |
竣工 | 2005年12月 |
設計者 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
施工者 | 大成建設株式会社関東支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2005/hayashi.html |
【グッドデザイン賞 建築・環境デザイン部門】 横河電機株式会社金沢事業所
金沢市郊外に建つ研究開発生産施設。産学の共同研究を含む研究開発から生産、サービスに至るまでものづくりを「一気通貫」で行います。ライフサイエンスを主なテーマとし、人の発する非常に微弱な磁場を計測するなど最先端の研究を行っています。機能別の明快な分棟構成に絡む大きな水盤は、磁場の影響を受けやすい実験室から磁性体である車両を遠ざける緩衝空間であると同時に、分野を超えた人々が集うコミュニケーションスペースに様々な光の変化をもたらします。年間晴天率の低い地方性を考慮し、明るく開放的なファサードを採用。周辺の豊かな緑を取り込む「明るく開放的で創造性が喚起される研究所」となっています。
(共同受賞者:横河電機株式会社)
[デザイナーより]
この建物は機能別の4つの棟から構成されています。それらを繋ぐ移動空間は、水辺や豊かな緑に面し見渡しがよく開放的であり、季節や時間と共に変化する外部環境に敏感に呼応し多種多様な色彩感や空気感に包まれます。二度とは出会えないかもしれない光のシーンを共有することで、共同体意識を高め、分野を超えたコミュニケーションを誘発し、新たな知の創造に繋がることを期待しています。
横河電機株式会社 | |
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建築主 | 横河電機株式会社 |
所在地 | 石川県金沢市 |
用途 | 研究所、工場 |
竣工 | 2005年11月 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
照明デザイン監修 | LIGHTDESIGN INC. |
サイン計画 | 株式会社矢萩喜從郎建築計画 |
施工者 | 大成建設株式会社北信越支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2005/yokogawa.html |
【グッドデザイン賞 建築・環境デザイン部門】 MIKIMOTO Ginza 2
銀座の中心部に建つ商業ビルです。低層部はMIKIMOTO boutiqueの店舗、上層部はテナント店舗で構成されています。約17m×14m、高さ56mの建物4周を「鋼板コンクリート構造」の壁で取り囲むことで、構造と表層の一体化を試みました。この新しい構造システムは、2枚の鋼板の間にコンクリートを流し込むもので、非常に薄い壁でありながら高い強度を実現し、内部の柱を不要としました。さらに、ランダムな開口部のデザインと、目地の無いフラットなパール塗装仕上げによって、力強さと抽象性が共存する、豊かな表情をもったファサードを実現しています。
(共同受賞者:株式会社ミキモト、株式会社伊東豊雄建築設計事務所、株式会社佐々木睦朗構造計画研究所)。
[デザイナーより]
ガラス張りのカーテンウォールのコマーシャルな建物が多い周辺環境のなかで、構造と表層を一体化することで、ストラクチュアの強さを表現しようと試みました。肉体的ともいえる鋼板の即物的な強さと、流動的な開口パターンと目地の無いフラットなファサードの抽象性を追求することで、テナントビルの均質性を超えた、もっと表情のある強いファサードを生み出したかったのです。
MIKIMOTO Ginza 2 | |
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建築主 | 株式会社ミキモト |
所在地 | 東京都中央区 |
用途 | 店舗、事務所 |
竣工 | 2005年12月 |
設計 | 建築:伊東豊雄建築設計事務所 大成建設株式会社一級建築士事務所 構造:佐々木睦朗構造計画研究所 大成建設株式会社一級建築士事務所 設備:大成建設株式会社一級建築士事務所 |
窓まわり照明 | LIGHTDESIGN INC. |
施工者 | 大成建設株式会社東京支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2005/mikimoto.html |