MIKIMOTO Ginza 2
- 用途:物販・飲食複合ビル
- 所在地:東京都中央区
- 延床面積:2,205.02m2
- 地下:1階/地上:9階
建築設計主旨
当建物は、MIKIMOTOのブランドイメージともつながる『やさしさ』『軽やかさ』『上品な力強さ』を同時に表現する建築として、『深い輝きを放つ宝石箱』のような、構造と表層が一体化したストラクチュアシステムによる力強いアイデンティティを持つ建築を目指し『鋼板コンクリート構造(CFSP)』を採用しました。
これは厚さ6~12mmの鋼板の間に、厚さ200mmのコンクリートを流し込む非常に薄い壁式の構造体で、内部空間に柱はありません。
外壁ユニットの溶接部は丹念に磨き上げて平滑にし、仕上コーティングは8工程にも及ぶ多層の塗膜の上に、MIKIMOTOの真珠をイメージしたパール塗装を施しました。
この強固な外壁に『揺れ動く瞬間を捕まえた』ような流動的な開口パターンを穿つことで、建築のスケール感を打ち消すような、ある種の抽象性を持たせることを意図しました。
構造設計主旨
当建物では、主体構造として4辺の外壁に「鋼板コンクリート構造」を採用し、鉛直荷重および水平荷重を全て外周の4構面に負担させた「チューブ構造」を形成しています。
この「鋼板コンクリート構造」は、スタッドによってつながった2枚の鋼板の間にコンクリートを充填して一体化した構造体であり、充填されたコンクリートは建物剛性への寄与と鋼板の局部座屈を防止するための拘束材としての働きをし、設計用荷重による部材応力は全て鋼板が負担しています。実際には充填されたコンクリートも十分な構造耐力を有しているため、本建物はリダンダンシーの極めて高い構造体となります。
一般建築物に初めて「鋼板コンクリート構造」を採用することにより、建築設計がイメージする抽象的な立面開口を実現することができました。
設備設計主旨
鋼板コンクリート構造を採用した建築計画にマッチさせること、また銀座という立地条件で高いレンタブル比を要求されることから、設備竪系統はその多くをバルコニー内に納め、スペースの合理化とメンテナンスの容易さを図っています。6階から上層階はテナント店舗のため、全館非接触ICカードを利用した入退室管理を行い、セキュリティ性を高めています。外壁の各開口部下部には3色のコールドカソードランプを設置し、外観の演出効果を高めています。
担当
担当 | |
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建築設計 | 伊東豊雄建築設計事務所 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
構造設計 | 佐々木睦朗構造計画研究所 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
設備設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
外部照明 | LIGHTDESIGN INC 東海林弘靖、田中裕美子 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | (伊東豊雄建築設計事務所 伊東豊雄、東建男、水沼靖昭、平山高康 (大成建設) 芝山哲也、長谷部等、長谷川晃三郎、新井健太 |
構造設計 | (佐々木睦朗構造計画研究所)佐々木睦朗 (大成建設)細澤治、早部安弘、渡邉祐一 |
設備設計 | (大成建設)嵐城太郎 |
電気設計 | (大成建設)三宅英司、安藤一成、板橋正弘 |
社外受賞
2006年 | グッドデザイン賞 |
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2007年 | 第18回 JSCA賞 |