日本製鋼所 瑞泉閣

近代化産業遺産、日本遺産、日本建築学会賞作品選集2021-2022

  • 煉瓦造
  • 耐震補強
  • 部材再生
  • 生かし取り

耐震要素を見せずに補強

改修後の外観:嘉仁親王が宿泊した煉瓦造の洋館と、従者が使用した木造の和館が並ぶ(やまだ商会撮影)

1911年創建時の瑞泉閣(日本製鋼所撮影)

華麗な装飾にあふれる洋館内部(やまだ商会撮影)

メタルシーリングや木製建具、照明器具など、貴重な創建時の内装材は再利用した(やまだ商会撮影)

部材再生:煉瓦積みの煙突は倒壊する恐れがあり、別の材料で作り変えた


1911年に一企業が建設した皇太子ご宿泊所の保存活用

1911(明治44)年に皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の北海道行啓の折、日本製鋼所室蘭製作所に建設した宿泊所です。煉瓦造の洋館と木造の和館から成る和洋館並列型建築で、現在も迎賓館として大切に使用されています。次の100年を見据え、平成20年の和館耐震改修に続き、今回、洋館も耐震補強、設備改修、経年劣化部分の補修を実施。創建以降引き継がれてきた外観、内装を保存し、次の世代への継承を目指しました。

所在地北海道室蘭市
発注者株式会社日本製鋼所
元設計者不明
改修設計者大成建設株式会社一級建築士事務所
創建年1911年
改修年2020年
WORKS瑞泉閣