大倉集古館

国登録有形文化財、日本建築学会賞作品選集2021-2022、第62回BCS賞、第32回BELCA賞、耐震改修優秀建築賞

  • RC造
  • 免震
  • 曳家
  • 増築
  • 部材再生
  • 三次元レーザー スキャナ計測
  • 色彩調査

地下へ収蔵庫を増築

改修後の外観:免震化の上、地下に収蔵庫等を増築(三輪晃久写真研究所撮影)

1927年創建時の大倉集古館(大成建設所蔵)

外部空間だったポーチに、ステンレスサッシを取り付け、内部空間化して風除室へ(三輪晃久写真研究所撮影)

2階テラスに安全対策として手摺を追加(三輪晃久写真研究所撮影)

部材再生:既存緑青銅板の下に、新規銅板を葺いて銅板屋根を二重化

部材再生:欠損した内部装飾を3Dプリンターで再生


免震化し、既存部に耐震要素を一切追加せずに耐震基準を満たした

大倉集古館は伊東忠太設計・大倉土木(現・大成建設)施工により、大倉喜八郎邸敷地に1927年に竣工しました。1962年同敷地内にホテルオークラが建設された際、大倉集古館を囲うようにL型に収蔵庫が増築され、道路側から大倉集古館の外観が見えなくなりました。2019年の改修工事では、大倉集古館を囲うように増築されていた収蔵庫を撤去し、創建当初の外観を取り戻しました。撤去した収蔵庫と事務所の機能を地下階に増築し、その基礎部に免震層を設けました。これにより増築部含め建物全体が免震化されました。既存部と増築した地下階を一体化し、時刻歴応答解析を行い大臣認定を取得して、現行法に適合させています。既存部に耐震要素を一切追加することなく、現行の耐震基準を満たしています。

所在地東京都港区
発注者公益財団法人大倉文化財団
元設計者伊東忠太
改修設計者谷口建築設計研究所
(構造)大成建設株式会社一級建築士事務所
(設備)森村設計
創建年1927年
竣工年2019年