M/E engineer
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- Project---エコビレッジ松戸
- 1. 環境ニ配慮セヨ!-コンペ
- 2. コンペ当選
- 3. 設計と機器開発の同時進行
- 4. 竣工
- 5. 受賞
SCENE_3 Project---エコビレッジ松戸
1. 環境ニ配慮セヨ!---コンペ
エコビレッジ松戸鳥瞰
コンペは、環境配慮、地域共生等に高い理想を持つクライアントの、“…エネルギー資源の節約と有効利用や地域共生を意識した住みやすい環境創造のコンセプトを最大限具現化すること…”という条件から始まりました。
建築の環境配慮は、建築によるパッシブな手法と設備による環境配慮技術の融合が肝要です。建築と設備は、建築がシェルターとして様々な外乱(雨や風、暑熱や冷気など)をシャットアウトし、設備がシェルター内のアメニティの仕上げを行う関係にあります。省エネルギーひとつ取っても、設備のエネルギー効率向上だけでは充分とは言えません。さらに、建築計画には屋外の計画も含まれます。コンペ当初から環境配慮を目指して意匠、構造、設備三つ巴の検討を行いました。意匠設計で掲げた“日当たりと風通しのよいまちづくり”のコンセプトを具現化するため、住棟の配置や各戸の断面計画では屋外、屋内の風を解析し、敷地の風通しと住戸無いの通風の確認を行った他、庇による日射コントロールや屋上緑化の効果など、様々な検討を行いました。
設備計画では、エネルギーの有効利用の観点から給湯のヒートポンプ*1化と排熱利用、深夜電力利用の観点から蓄熱技術の導入などを計画しました。ちょっと意外に思うかもしれませんが、家庭で消費するエネルギーの1/3は給湯。住宅ではお湯の省エネが特に有効となるわけです。
上司に、思いつく仕掛や工夫をみんな盛込んで提案しよう!と言われたこともあり、家族向け住宅に当時開発中の小型氷蓄熱多機能ヒートポンプ空調機(ホームアイス*2)を、単身者向け集宅にはセントラル式の給湯ヒートポンプと廃熱利用を計画するなど、省エネルギーに配慮した技術や工夫テンコモリの設備計画を提案しました。
- *1
- ヒートポンプ:エアコンなどに用いられる技術で、屋外の熱を取り入れ、消費電力の数倍の冷却または加熱能力が得られる。
- *2
- ホームアイス:当社開発の家庭用の氷蓄熱ヒートポンプ空調機で、冷房時の排熱で給湯の余熱も行う排熱回収型機器。