NEWS 2024.05

「静岡新聞・静岡放送東京支社リノベーション」が作品選集2024に掲載

  • 南東側全景

    南東側全景:耐震補強後も外観形状はそのまま、外装職は建設時の色に再生

  • 南東側全景(改修前)

    南東側全景(改修前):改修前に害h系の色彩調査を実施

  • 東側全景(夜景)

    東側全景(夜景):軒天・円筒をライトアップし、夜の印象を変えた

  • ピロティ

    ピロティ:池の形状を残しつつ、照明付きのデッキカウンターに転用

  • 1階エレベーターホール

    1階エレベーターホール:建設時の大理石仕上げを残した

一般社団法人日本建築学会が2024年3月に刊行した「作品選集2024」に当社改修設計・施工作品の「静岡新聞・静岡放送東京支社リノベーション」が掲載されました。
作品選集の刊行は1989年に始まり、日本における優秀な建築作品の発表の場として国内外より高い評価を受けています。

一般社団法人日本建築学会:https://www.aij.or.jp/

静岡新聞・静岡放送東京支社リノベーション

1967年、東京・銀座に建設されたメタボリズムとしても知られるモダニズム建築の保存・再生プロジェクトです。
1993年に外装改修、1999年に内装設備と外構改修を実施し、今後さらに数十年にわたって使用できるようにするため全面改修を行いました。既存建物の解析の結果、耐震補強を実施し、補強方法として、特徴的な外観形状と室内空間の広がりを保持するため、円柱コアの内側から薄くて耐力の高い鋼板と炭素繊維シートで補強する工法を採用しました。
外観については、創建時の色調を再現するため、内壁と外壁の塗装調査を行いました。測定個所の塗装履歴を調べながら、建設当時の写真と比較して色を特定しました。
また、軒天や円筒へのライトアップと室内LED照明により夜間の印象を変え、昼夜ともに、地域のランドマークにふさわしく再生しました。
一方、内装と設備は刷新し、セキュリティ強化、BCP対策、バリアフリー対応、共有スペースやピロティなどの新設を行い、今の時代に合った使いやすい執務環境に整備しました。
長きにわたり使い続けるということは、リニューアルにおいて改変する箇所/残すところを明快にし、履歴を記した上で再生することが重要と考えました。新しい機能・価値を積み重ねることでメタボリズム建築を次代に継承します。

構造概略図

※クリックすると拡大します

耐震補強は、特殊な架構形式のため地震応答解析により建物の弱点を把握しつつ、省スペースで補強効果の高い計画としました。円柱コア壁脚部(1階まわり)の曲げ補強として炭素繊維シートを張り付け、低層階(1~5階床)のせん断補強として鋼鈑を設置しました。
建設当時のフォルムの保持と同時に、狭小な空間の使い勝手を確保することができました。

構造概略図
構造概略図

建物概要

  • 建築主
    静岡放送株式会社
    所在地
    東京都中央区銀座8-3-7
    用途
    事務所
    構造
    鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造
    階数
    地下1階、地上12階、塔屋2階
    敷地面積
    186.72m2
    建築面積
    161.70m2
    延床面積
    1,493.10m2
  • 工期
    2021年5月~2022年5月
    原設計
    丹下健三+都市・建築設計研究所
    改修設計
    大成建設株式会社一級建築士事務所
    改修監修
    ピー・エム・ソリューション
    改修構造監修
    小堀鐸二研究所
    施工
    大成建設株式会社東京支店
WORKS:
静岡新聞・静岡放送東京支社リノベーション
FEATURE:
大成建設の保存再生 > 実績 > 静岡新聞・静岡放送東京支社

大成建設担当者

  • 西田勇人
    建築設計
    西田勇人
  • 渡邉ゆたか
    建築設計
    渡邉ゆたか
  • 藤村太史郎
    構造設計
    藤村太史郎
  • 福田優子
    構造設計
    福田優子
  • 竹内伸介
    設備設計
    竹内伸介
  • 賀上貴明
    設備設計
    賀上貴明

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