一般社団法人日本建築学会が2023年3月に刊行した「作品選集2023」に当社共同設計・当社施工作品の「新宿住友ビル」が掲載されました。
作品選集の刊行は1989年に始まり、日本における優秀な建築作品の発表の場として国内外より高い評価を受けています。
さらに、当作品が作品選奨を受賞しました。
作品選奨はその年の作品選集に掲載された作品の中から、学術・技術・芸術の総合的視点からみて、特に優れた作品を表彰するものです。
一般社団法人日本建築学会:https://www.aij.or.jp/
また当作品が、第49回 東京建築賞において、東京都建築士事務所協会会長賞及び一般部門二類 最優秀賞を受賞しました。
一般社団法人東京都建築士事務所協会が主催する東京建築賞は、東京都内の一級建築士事務所が手がけた建築作品を公募し、優れた作品を表彰することにより、魅力ある建築と都市の建設に貢献し、あわせて建築技術の進歩並びに地域環境と生活文化の向上に寄与することを目的としています。
その中で一般部門は、住宅以外一般用途の建築作品等を対象とし、二類は延床面積3,000m2以上の建築物を対象としています。
全応募作品の中から、東京都建築士事務所協会会長賞1点が選定されます。
一般社団法人東京都建築士事務所協会:https://www.taaf.or.jp/
新宿住友ビル リ・イノベーションプロジェクト
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2階平面図(リノベーション前後)
無柱空間の屋根構造(長さ140m×幅90m×高さ25m)
超高層ビルのリ・イノベーション
日本初の200m超え超高層の「新宿住友ビル」は、発注者住友不動産様の長年の基本構想を経て未知なるものへの幾多の探求と挑戦の末、当時の技術革新/イノベーションによって実現しました。
竣工から20数年が経過した1990年代頃、ビル風や天候に悩まされた足元空地の環境改善と周辺地域を含めた活性化を目指して、最初のアトリウム設置案が構想されました。しかし、この構想は、当時の都市計画との乖離が埋められず、長い時間をかけての挑戦となりました。
その後、分断されていた新宿駅東西地区をつなぐ東西自由通路構想から、新宿中央公園に至る地域の活性化の機運が高まってきたこと、東日本大震災などを経て、都市におけるパブリックスペースの評価など社会的要請の変化もあり、法規上や技術上の課題などを乗り越え、再び革新/リ・イノベーションによって今回の大改修が実現できました。
パブリックスペースのパラダイムシフトによる屋外空地の屋内化の実現
「新宿住友ビル」建設にあたり活用した特定街区制度の有効空地には、屋外の広場状空地が最も価値が高いとの考えがあり、ガラス大屋根実現の大きなハードルの一つでした。2011年の東日本大震災が大きな転機となり、都心でも多くの帰宅困難者の受け入れや救急活動等のため、都市機能としての一時避難場所の重要性が高まり、本計画において全天候型の屋内有効空地であるアトリウム空間が防災の面からも評価され、事業推進の大きなアクセルとなって都市計画変更が実現しました。
雨風を完全にシャットアウトし、空調環境を整備した「三角広場アトリウム」は、日常では、多様なイベントを開催するのみならず、社会の多様化に対応するサードプレイスとして機能し、街に賑わいを生むパブリックスペースとなります。また大地震時には、防災備蓄・被災情報の発信設備を完備し、約3,000人の帰宅困難者を受け入れる、安全なシェルターとして機能します。
大屋根の構造計画
様々なイベントに対応できる「三角広場アトリウム」の巨大無柱空間は、屋根は合理的な多面体による立体形状により実現しています。
既存躯体への負担を最小限にするため、大屋根は地上部のエキスパンション・ジョイントで既存ビルと構造的に分離し、大屋根を支える柱は既存ビルと構造的に分離し、大屋根の支柱は既存施設の剛強な地下壁と新設躯体の上に建てる計画としています。
建物概要
- 建築主
- 住友不動産株式会社
- 所在地
- 東京都新宿区西新宿2-6-1
- 用途
- 事務所、集会場、店舗
- 構造
- 鉄骨造
- 階数
- 地下4階、地上54階(塔屋3階)
- 敷地面積
- 14,446.46m2
- 建築面積
- 13,788.96m2
- 延床面積
- 180,195.16m2
- 基本構想・
総合監修 - 住友不動産株式会社
- 基本設計
- 株式会社日建設計
- 実施設計
- (制振補強工事)株式会社日建設計
(大屋根・イベントホール設置及び関連フロア改修工事)株式会社日建設計、大成建設株式会社一級建築士事務所 - 施工
- 大成建設株式会社東京支店
- 基本構想・
- NEWS:
- 「新宿住友ビル」がグッドデザイン賞を受賞
大成建設担当者
-
- 建築設計
- 上甲孝
-
- 建築設計
- 管貴彦
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- 建築設計
- 中野弥
-
- 構造設計
- 島村高平
-
- 設備設計
- 賀上貴明
-
- 設備設計
- 三宅英司