2015.06 日本建築学会賞(技術)を受賞
当社の開発技術である「パッシブ切替型オイルダンパー」と「都市型小変位免震」が、2015年日本建築学会賞(技術)を受賞しました。
表彰名は「パッシブ切替型オイルダンパーの実用化と都市型小変位免震建物への適用」です。
一般社団法人日本建築学会の表彰制度である日本建築学会賞は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるとともに、わが国の建築文化を高める目的で、建築に関する特に優秀な業績を表彰するものです。
今回受賞した技術部門は、近年中に完成した建築技術であって、技術の発展に寄与し、優れた成果に結実した技術に対して授与されるものです。
今回の受賞では、想定を超える地震動に対する免震建物の安全性能を向上する技術として、変位検知式のパッシブ切替型オイルダンパーを国内で初めて実用化した点、その技術の利用により都市部の狭小地に免震を実現したいというニーズに応える都市型小変位免震建物を実現した点が高く評価されました。
一般社団法人日本建築学会:
https://www.aij.or.jp/
パッシブ切替型オイルダンパー
パッシブ切替型オイルダンパーは、揺れ幅が設定変位を超えると、自動的にオイル流路の一部を塞ぎ、高い減衰力を維持します。
切り替えには電気などのエネルギー供給が不要なため、停電時でも確実な作動が可能です。
また、特別なメンテナンスも不要です。
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- 本装置は、カヤバシステムマシナリー(株)との共同開発品です。
都市型小変位免震
建築面積を最大限に確保できる免震構法
都市部の市街地では、狭小な敷地環境の制約から建物の周囲に60cm程度の免震クリアランスが必要な免震構法の採用が困難な場合があります。
都市型小変位免震は、新開発のパッシブ切替型オイルダンパーにより建物の揺れ幅をコントロールし、免震クリアランスを従来の半分程度に抑えます。
そのため、都市部の狭小敷地を有効に利用することができます。
中小地震での安心感、大地震後の事業継続
パッシブ切替型オイルダンパーは、地震時の揺れ幅が設定値に達すると、自動的に大きな減衰力に切り替えます。
発生頻度の高い震度5強までの中小地震に対しては、低減衰モードで一般の免震建物と同等の免震効果を発揮させ、居住者の安心感を確保します。
万が一の震度6弱~7クラスの大地震では、高減衰モードに切り替わり免震変位を抑制し、免震建物の安全性を確保します。
導入事例
大成建設技術センターZEB実証棟にパッシブ切替型オイルダンパーを適用し、免震クリアランス300mmの都市型小変位免震を実現しました。
レベル2相当の大地震時の最大応答変位がほぼ等しい従来型オイルダンパーを採用した場合と比較して、レベル1相当の中小地震における最大応答加速度を30~40%まで低減しました。
大成建設技術センターZEB実証棟 | |
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建築主 | 大成建設株式会社 |
所在地 | 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344-1 |
用途 | 事務所 |
構造 | 鉄筋コンクリート造(一部PCa造)、免震構造 |
規模 | 地上3階、塔屋1階 |
建築面積 | 427.57m2 |
延床面積 | 1,277.32m2 |
竣工 | 2014年5月 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
施工 | 大成建設株式会社横浜支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2014/zeb.html NEWS: 2014.08 「都市型ZEB」大成建設技術センターZEB実証棟が完成 https://www.taisei-design.jp/de/news/2014/08_01.html 2015.01 「大成建設技術センターZEB実証棟」が地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞 https://www.taisei-design.jp/de/news/2015/01_01.html 2015.03 当社設計施工2作品が省エネ・照明デザインアワード2014を受賞 https://www.taisei-design.jp/de/news/2015/03_01.html |