bygone days
SCENE_3 2003年 秋
Aluminum between the airs (2003)
自分の左右に隣り合って座る二人の同僚は共に若手ということで、いつも共通のプロジェクトに動員されることが多かった。私を含めた三人はよく、たまにはアイデアコンペでもやって、賞金で旅行にでも行こう、と話していた。ある時、伊東豊雄さんが審査委員長だった「アルミニウム建築構造コンペ」というコンペに応募することにした。アルミニウムで新しい構造の空間を提案するという課題だった。空気膜構造なんか面白いかもね、ということでアルミのシートを買ってきて実際に作ってみると、なかなかうまくいきそうだった。アイデアが次々と出てきて、やがて一枚のパネルが完成した。締切りの日、パネルをダンボールで梱包しながら、これは一等になるかもね、と盛り上がった。
私達の案は無事に最優秀賞に選ばれた。手伝ってくれた仲間も含めた6人で、四国まで旅行した。