NEWS 2025.09

「ローム・ワコー厚生棟オフィス」が日経ニューオフィス賞中国ニューオフィス推進賞を受賞

  • 南側外観

    南側外観:企業の「顔」として地域に開かれ、それぞれのフロアで過ごす従業員の様子が交通量の多い国道2号線から望める

  • 1階製品展示ギャラリー

    1階製品展示ギャラリー:地域の方々や未来を担う子供たちに最先端技術に触れてもらうことで、地域人材の育成、地域とつながることを目指す

  • 2階オフィス

    2階オフィス:パノラマで地域に開かれた開放的で明るい事務所は、全体的に多様なエリアが視覚的にも一層広がり、より自発的な働き方を促進

  • 3階食堂

    3階食堂:天井を高く見せるため中央をスケルトン天井とし、パノラマビューで眺望を確保

  • 4階多目的スペース

    4階多目的スペース:食堂を補完する機能(リフレッシュ・癒し・コミュニケーション・コンビニ・シャワー・お祈り部屋等)を設置し、従業員のエンゲージメントの向上を目指す

当社設計・施工作品の「ローム・ワコー厚生棟オフィス」が、第38回日経ニューオフィス賞 ニューオフィス推進賞を受賞しました。

一般社団法人ニューオフィス推進協会が主催する日経ニューオフィス賞は、快適かつ機能的なオフィスを整備するために、また、感性を刺激し、創造性を高めるために、加えて知識資産や情報の運用管理のために、どのようなオフィス・コンセプトに基づき、どのような具体策が施されているか、そしてどのような効果を上げているかを以下の視点により評価し、表彰するものです。

1.快適性・創造性
オフィスワーカーが快適で精神的にゆとりを感じるような、生活の場となっている。(well-being)また、感性を刺激し、創造性を高める働き方を誘発する場となっている。
2.IT・DXの活用とリモートワーク適応性
情報通信技術(IT・DX)を活用した新しいマネジメントとワークスタイルを積極的に推進する知的生産の場となっている。また、ITを活用したコミュニケーションが行われている。
3.環境・社会貢献
地球環境への配慮および社会的責任を果たす取り組みがなされている。自社の企業文化が地域社会に貢献し、地域の風土、景観などとの共生が考慮されている。
4.ワークプレイス管理・運営
FM(ファシリティマネジメント)手法を取り入れたオフィスづくりや維持管理のための体制が整備されており、ワーカーの利便性を高める工夫がなされている。
5.知識資産・情報管理
知識資産や情報の適切な管理・運用がなされており、入退室管理や防犯、ネットワークなど施設内セキュリティおよびBCP対策がなされている。

中国ニューオフィス推進賞は、中国ブロックのオフィスから選定されます。

一般社団法人ニューオフィス推進協会:https://www.nopa.or.jp/index.html

ローム・ワコー厚生棟オフィス

企業の「顔」として開かれた建築

笠岡市に根ざし成長を遂げてきた半導体メーカーの事務所・厚生棟であり、1階:製品展示ギャラリー、2階:オフィス、3階:食堂、4階:多目的スペース、と各階ごとに異なる用途を持つ建物です。
企業の顔となり、地域の目印となる建物をつくってほしいということがクライアントの要望でした。
敷地はJR山陽本線と国道2号線に挟まれた場所に位置し、国道2号線によって第1工場と第2工場が分断されていました。
そこで建物をR形状とし、配置を考慮することで、本厚生棟が既存の第1工場と第2工場を視覚的に緩やかに繋ぎ、通り行く地域の人々が3棟を「ローム・ワコー」の建物として認識できるようにし、地域のシンボルとなることを目指しました。
交通量の多い国道2号線側から従業員が生き生きと働く様子が伺え、企業に興味を抱いてもらえるよう南面ファサードは連窓として内部の様子を表出させています。

配置図

この会社で働きたいと思えるワークプレイスの実現

長手方向は、経済性を考慮して9mスパンとしていますが、各階ともに柱より南側を「縁側」と名づけ、打合せや個別ワークなどABWを実践できる家具配置を行っています。
φ1000mmのRC柱には、空間を分節する役割を担わせ、縁側は各シーンに応じた様々な利用を行うことでアクティブに働く風景を創り出して地域への企業アピールに繋げました。
従業員がこの会社で働きたいと思えるような空間づくりが生き生きと働く姿を生み出すと考え、内部は南側に広がる自然を望めるパノラマビューと、内部緑化を提案することでウェルネスオフィスの実現を図りました。
また、働き方の自由度を高め「コミュニケーションの促進」、「自発的な働き方を促進」するため、将来的により自由な働き方を見据えたオフィスづくりをしています。
固定席に縛られず自席以外の場所で業務内容に応じて働ける多様な空間を各所に用意することで、従業員の創造性、生産性の向上を図っています。

一つ屋根の下で働く「家」のようなオフィスを目指す

国道レベルより上部は従業員の行動が地域に開かれたスペースとなっており、書斎である2階事務所、ダイニングルームとしての3階食堂、リビングのような4階多目的スペースで構成しています。
3層が常につながりながら、ある程度の距離感をもって関わりあっていることを目指しました。
一般的な手法では中央に吹抜け階段などを設けますが、あえて上下に閉じながら地域に開く手法をとっています。

2階事務所平面図

建物概要

  • 建築主
    ローム・ワコー株式会社
    所在地
    岡山県笠岡市富岡100
    用途
    事務所
    構造
    鉄筋コンクリート造
    階数
    地上4階、塔屋1階
    敷地面積
    約2,500m2
    延床面積
    約3,000m2
  • 工期
    2022年12月~2024年5月
    設計
    大成建設株式会社関西支店一級建築士事務所
    施工
    大成建設株式会社中国支店

大成建設担当者

  • 平井浩之
    建築設計
    平井浩之
  • 寺元友紀
    建築設計
    寺元友紀
  • 阪井由尚
    構造設計
    阪井由尚
  • 森光哉
    構造設計
    森光哉
  • 湯浅孝
    設備設計
    湯浅孝
  • 内田元
    設備設計
    内田元
  • 田渕奈緒美
    設備設計
    田渕奈緒美

CONNECTION