当社共同設計・当社施工作品の「日本テレビ番町スタジオ」が、2021年度CFT構造賞と第23回日本免震構造協会賞作品賞を受賞しました。
CFT構造賞
一般社団法人新都市ハウジング協会が主催するCFT構造賞は、意匠設計、構造設計、耐火設計及び施工において優れており、CFT造の普及に貢献した作品を選考し、その実現に貢献した設計者及び施工者、建築主を表彰するものです。
一般社団法人新都市ハウジング協会:http://anuht.or.jp/
日本免震構造協会賞 作品賞
一般社団法人日本免震構造協会が主催する日本免震構造協会賞は、免震構造の技術の進歩及び適正な普及発展に貢献した個人、法人及び団体に対して表彰することを目的としています。その中で作品賞は、新築、改修等は問わず、免震構造等の特質を反映した格別に優れた建築物等の実現に主たる貢献を行った個人、法人及び団体に贈られるものです。
一般社団法人日本免震構造協会:https://www.jssi.or.jp/
日本テレビ番町スタジオ
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建築計画・構造計画概要
本建物は日本テレビ放送網株式会社発祥の地、千代田区二番町に建設された新しいスタジオ棟であり、同敷地横にあった既存スタジオから番組制作をとめることなくシームレスに切替えることを前提に綿密な計画を立案し建設に着手させました。
竣工した2018年は日本テレビ開局65周年となる節目でもあり、翌2019年1月より運用を開始しました。
地下5階、地上11階、塔屋1階で、建物高さ59.9m、延床面積が約33,600m2となっており、屋上にはさらに高さ40mの放送用アンテナ設置用の鉄塔を有しています。
省スペースと高い安全性を両立できるソフトファーストストーリー集中制振構造を採用し、本構造架構を合理的に成立させるため、主架構の柱のほぼ全てにCFT柱を採用しました。
最高品質のスタジオを実現するソフトファーストストーリー集中制振構造
3層分の吹き抜けとなる3つの大規模スタジオを縦に積層する計画で、スタジオも周辺諸室も最大限のスペース確保が求められました。
また、大地震等の非常時にも放送を継続させるため、高い耐震性能も併せて求められました。
この課題に対し、最下部スタジオ吹き抜け空間の柔性を活かしたソフトファーストストーリー集中制振構造を採用し、極稀地震時でも主架構を短期許容応力度以下に納める高い耐震性能とスペース確保を両立しました。
遮音・防振性能の向上と電磁的な遮断を目的としたスタジオ二重壁の内側を活用し、高層部(4~11階) ではブレースを設けて水平剛性を高め、低層部(1~3階) ではオイルダンパーを集中配置しました。
さらに2階・3階床の大梁をピン接合とすることで低層部の主架構を柔らかくしつつ、3層分の変形差を活かしたオイルダンパー取付フレームは極厚断面BOXで剛性と耐力を高めました。
また、この取付フレームは過大変形時にフェイルセーフ機構として水平変形を抑止するストッパーとなり、主架構を守る計画としました。
建物概要
- 建築主
- 日本テレビ放送網株式会社
- 所在地
- 東京都千代田区二番町14番他
- 用途
- テレビスタジオ
- 構造
- (地下)柱:鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造
梁:鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造
(地上)柱:CFT造、鉄骨造 梁:鉄骨造 - 階数
- 地下5階、地上11階、塔屋1階
- 軒高
- 59.2m
- 最高高さ
- 59.9m
- 敷地面積
- 7,076.07m2
- 建築面積
- 2,676.72m2
- 延床面積
- 33,602.47m2
- 工期
- 2016年2月~2020年12月
- 設計
- 大成建設株式会社一級建築士事務所
- 工事監理
- 株式会社三菱地所設計
- 施工
- 大成建設株式会社東京支店
大成建設担当者
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- 構造設計
- 山﨑英一
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- 構造設計
- 福本陽介
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- 構造設計
- 岡山真之介
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- 構造設計
- 廣石恒二