2020.10 「JR東日本ホテルメッツ札幌」がグッドデザイン賞を受賞
当社設計・施工作品の「JR東日本ホテルメッツ札幌」が、「2020年度グッドデザイン賞」を受賞いたしました。
公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催する当賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動であり、1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
当賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られ、かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
さらに、複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっています。
グッドデザイン賞は、審査と多様なプロモーションを通じて、デザインに可能性を見出す人びとを支援し、デザインにできること・デザインが生かされる領域を広げ、私たちひとりひとりが豊かに、創造的に生きられる社会をめざしています。
グッドデザイン賞:
https://www.g-mark.org/
JR東日本ホテルメッツ札幌
本プロジェクトは札幌駅北口至近にある中規模敷地の土地活用です。
社会と地域のニーズを背景に、ビジネストリップを目的とした宿泊特化型ホテルを計画しました。
「駅近・客室面積17~21m2・客室数200・利便性・コストパフォーマンス」という、ビジネスホテルの基礎を押さえながら、客室が存在する上で不可欠な間仕切が構造体となり、XY方向の構成要素が同じ数量となる、45度の線対称レイアウトで出来た純度の高いプランを開発しました。
このことは、観光まちづくりのビジョンに後押しされ、乱立するホテル市場において、付加による表層的な差別化にとどまらない、本質的で、意匠性・空間性・安全性・事業性の全てに秀でた、ビジネスホテルの新しいスタンダードとなる建築に繋がると考えました。
加えて機能的に建物単体で完結するビジネスホテルを、賑わい・景観・環境・防災の都市整備の観点から街区で考え、札幌北口地区の市街地環境の形成を目指しました。
【デザインのポイント】
- FLAT1:フラット(平滑)な構造美。柱と梁がない構造体がそのままファサードとインテリアとなる建築
- FLAT2:北国のフラット(住宅)を感じる建築環境の形成。寒冷地への配慮とそこから生まれるデザイン
- CORNER:単体から街区へ。平面は45度の線対称としてコーナーを開放。隣地とも呼応するデザイン
[デザイナーより]
FLAT on the CORNER。
「FLAT」には 2つの意味があります。
1つは平坦。柱と梁がない居住性に優れた空間と、構造がそのままデザインとなる建築を実現しました。
主たる構造であるRC壁は、客室の内装から外装へと連続し、林立する6枚の板として街にリズムを与えます。
均整の取れたプランによる免震+壁構造は優れた耐震安全性を有します。
もう1つは住宅。構造を活かしたフルハイトの窓と、シンプルな面に与えた色とあかりで、北欧の温かい住まいを想起させる、過ごすことが目的となる客室としました。
また環境形成上必要となる、断熱と積雪の対応を外装に落とし込み、視点と時間で様相を変える雪国ならではのデザインとしました。
平面は45度の線対称とし「CORNER」にはバルコニーと公開空地を設けています。
隣接する建築と呼応する、賑わいと透過性のある景観を形成しました。
尚、これに合わせてロゴが変更となりブランドイメージが更新されました。
建築主 | 株式会社YREマネジメント |
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所在地 | 北海道札幌市北区北7条西2丁目5番3 |
用途 | ホテル |
構造 | 鉄筋コンクリート造(免震構造) |
規模 | 地上13階 |
敷地面積 | 767.40m2 |
建築面積 | 606.10m2 |
延床面積 | 6,735.08m2 |
客室数 | 206室 |
工期 | 2017年7月~2018年12月 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
施工 | 大成建設株式会社札幌支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2019/metssapporo.html NEWS: 2020.07 「JR東日本ホテルメッツ札幌」が日本免震構造協会賞を受賞 https://www.taisei-design.jp/de/news/2020/07_01.html |
設計担当者
建築設計
中藤泰昭
建築設計
柴崎耕平
インテリアデザイン
徳野博子