2020.09 当社若手設計者が青年技術者顕彰者(構造部門)に選出
一般社団法人日本建築協会が主催する「第67回青年技術者顕彰 構造部門」において、当社関西支店設計部豊島裕樹氏が選出されました。
当賞は、年齢満35歳以下の会員の中から建築に関し優れた業績を挙げた青年技術者を選考し、顕彰する制度です。
一般社団法人日本建築協会:
https://www.aaj.or.jp/
受賞者より(豊島裕樹)
構造設計として約10年実務を行い、様々なプロジェクトに携わることができました。
どのプロジェクトでも私の設計する建物は100年以上使用されるものでありたいと考えてきました。
それは使い手に長く愛される建物を設計したいと考えているためです。
建築設計行為は通常何か月もあるいは何年もかけて施主の想い、自分の想いを検討し図面に描き、実現していくことになります。
建てられた建物は自分にとって大事なものであり、それは使い手にとってもそうであって欲しいという想いからです。
この想いを構造設計の立場から実現するために、以下のことを意識して取り組んでいます。
- 建物損傷を最小限に抑える架構の提案をする(免制震、ブレース架構、壁式架構など)
- 将来の用途変更も見据え、執務・運用スペースに現れる構造体を最小限にする(外殻構造、コアによる水平抵抗など)
- 工期・コストに限りがあるために、いかに合理的に実現するかを考える
- 特別な思い入れを深めるための+αの提案をする
The Okura Tokyo
構造計画概要
上下に重なるホテル、オフィス共に安心安全で高い耐震性能を付加するために、以下の構造計画としました。
- 用途を切替える26~27階に構造切替階を設け、切替階より下部はオイルダンパーによる制振構造としました。切替階より上部は吹き抜け空間に面した内部構面に12層にわたる大きなX型ブレースを配し、チューブ効果と水平剛性を高めたブレースチューブ構造としました。
- 構造切替階では内部のブレースチューブ構面から下層オフィスの外周部柱に軸力を流すため斜め柱を配置し、3次元的に複雑な斜め柱の接合部を実現するため、12箇所で鋳鋼接合部を採用しました。
- メインロビーを41階建ての5階に再現するにあたり、かつての柱外形を実現するため、細径の柱には780N/mm2級鋼材とFc150のコンクリートを組み合わせた超高強度CFT柱を採用しました。
建築主 | 株式会社ホテルオークラ |
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所在地 | 東京都港区虎ノ門2-10-4 |
用途 | ホテル、事務所、店舗、駐車場 |
構造 | 地下:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造) 地上:鉄骨造(柱:一部CFT造) |
階数 | 地下1階、地上41階、塔屋2階 |
敷地面積 | 20,442.44m2 |
建築面積 | 13,262.54m2 |
延べ面積 | 180,905.72m2 |
工期 | 2016年6月~2019年7月 |
設計 | 虎ノ門2-10計画設計共同体 (大成建設株式会社一級建築士事務所、株式会社谷口建築設計研究所、株式会社観光企画設計社、株式会社日本設計、株式会社森村設計、株式会社NTTファシリティーズ) |
インテリアデザイン | 大成建設株式会社一級建築士事務所、株式会社谷口建築設計研究所、株式会社観光企画設計社、GAデザイン・インターナショナル |
照明コンサルタント | ライティング プランナーズ アソシエーツ |
施工 | 大成建設株式会社東京支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2019/theokuratokyo.html |