2020.05 「The Okura Tokyo」がインテリアプランニングアワード2020で複数受賞
当社共同設計・当社施工作品の「The Okura Tokyo」が、第6回インテリアプランニングアワード2020を複数受賞しました。
「伝統美を再構築した、和の宴会場」が公益財団法人建築技術教育普及センター理事長賞を受賞し、「2つのブランドで構成する客室デザイン」と「開放感と賑わいのあるオールデイダイニング」が入選しました。
一般社団法人インテリアプランナー協会が主催する当賞は、良質なインテリア作品を審査し表彰し、インテリアプランナーの仕事を社会に広め、同時にインテリアプランナーの資格制度の存在意義と必要性を理解してもらうことを目的とし、資格者自身の技術と知識の研鑽を促進させ、業界全体の質的向上と活性化につながることを期待するものです。
一般社団法人インテリアプランナー協会:
https://www.jipa-official.org/
The Okura Tokyo
「平安の間」:「巻子本古今和歌集の序」を題材とした壁面装飾のある和の大宴会場
宴会場エントランス:現代に再生した「藤棚」
客室(オークラ ヘリテージウイング):日本の伝統美に彩られた静謐で落ち着いた空間
客室(オークラ プレステージタワー):和の趣が程よく溶け込んだ都市的魅力を備えた空間
オールデイダイニング「オーキッド」:変化する空間により楽しい時間を提供
1962年、「海外の模倣ではなく世界に通じる日本独自のホテルの創造」を目指して開業したホテルオークラ東京。2019年9月、この精神を継承し、時代の要求に適合した安全性と快適性を兼ね備えた「The Okura Tokyo」に生まれ変わりました。
「伝統と革新」を開発コンセプトに、これまでの50年の歴史を受け継ぎ、これからの50年に向けて世に問う、新たなOkura Legacyの創造を目指しました。
伝統美を再構築した、和の宴会場
「平安の間」を含む和の宴会場エリアには、オークラの美意識を象徴する「和」の装飾が数多く存在していました。
新たな宴会場は、解体前の調査・保存作業を経て、その伝統装飾を再利用・再生しつつ、開業当時の精神に基づき新たに製作した和の装飾を加え、空間を再構築しました。
目指したのは、現代的でありながらもオークラを知るお客様がひと目見て「オークラらしい」と感じてもらえる空気感。
「藤棚」「正倉院柄のグラデーション織物」など随所に伝統意匠を取り入れつつ、「平安の間」には、大倉集古館所蔵の国宝「巻子本古今和歌集の序」を題材とした装飾壁画を新たに製作し、その名にふさわしい、和の宴会場をデザインしました。
より洗練されたディテールやプロポーションを駆使することで、スケールアップした宴会場においても、同質の美意識を感じ取れる空間を目指しました。
2つのブランドで構成する客室デザイン
新たなホテルは、ブランドコンセプトの異なる2棟の建物で構成されており、客室はその2つの共通性と差別化を自然な形で同居するようデザインしています。
「世界をもてなす迎賓館」としての「オークラ ヘリテージウイング」は、日本の伝統美に彩られた静謐で落ち着いた空間、都市型高層ホテルの「オークラ プレステージタワー」は、和の趣が程よく溶け込んだ都市的魅力を備えた空間としています。
2ブランドとも、広い間口からの景観を最大限に生かした「ワイドリビング」と魅力的な浴室にこだわった「ビューバス」による2タイプのスタンダードのほか、世界の賓客をもてなす様々なタイプのスイート客室を備えています。
開放感と賑わいのあるオールデイダイニング
本館の建替えとともに生まれ変わったオールデイダイニングレストラン「オーキッド」。
エントランスに入ると、リテール(小売り)ゾーンを脇目に、賑わい感を感じながら客席に進みます。リテールゾーンの中央には、キラキラした宝石のディスプレイをイメージした冷蔵ショーケースがあり、購買意欲を掻き立てます。
客席は長手48mが窓に面し明るく、天井は2層吹抜けの高さ5.8mで開放感あふれる空間となっています。客席に面した約14mのオープンキッチンカウンターやブッフェカウンターの配置が、空間に活気とライブ感を与えています。
また、アルミの鋳型で製作したゴールドのスクリーンやガラススクリーンで空間を優しく仕切り、プライベートにも配慮したものとなっています。
フォーカルポイントとなる高さ5.4m、幅4.5mのガラス貼りのワインセラーは、客席の妻側に配置されており、空間の背景として効果的な要素となっています。
建築主 | 株式会社ホテルオークラ |
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所在地 | 東京都港区虎ノ門2-10-4 |
用途 | ホテル、事務所、店舗、駐車場 |
構造 | 地下:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造) 地上:鉄骨造(柱:一部CFT造) |
階数 | 地下1階、地上41階、塔屋2階 |
敷地面積 | 20,442.44m2 |
建築面積 | 13,262.54m2 |
延べ面積 | 180,905.72m2 |
工期 | 2016年6月~2019年7月 |
設計 | 虎ノ門2-10計画設計共同体 (大成建設株式会社一級建築士事務所、株式会社谷口建築設計研究所、株式会社観光企画設計社、株式会社日本設計、株式会社森村設計、株式会社NTTファシリティーズ) |
インテリアデザイン | 大成建設株式会社一級建築士事務所、株式会社谷口建築設計研究所、株式会社観光企画設計社、GAデザイン・インターナショナル |
照明コンサルタント | ライティング プランナーズ アソシエーツ |
施工 | 大成建設株式会社東京支店 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/ works/2019/theokuratokyo.html |
インテリアデザイン担当者
大野博文
高橋洋介
小椋圭介
吉田美香