2009.09 「代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー オベリスク」がJSCA賞を受賞
社団法人日本構造技術者協会が主催する「第20回JSCA賞」で、当社設計・施工の「代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー オベリスク」が受賞いたしました。
当賞は、構造家の持つ優れた資質を顕在化し、次の世代を刺激し活性化を図り、また構造家の活動を社会的に掲示してゆくことを目的としており、構造面での創意・着想に優れた建築作品の構造設計者に贈られます。
「代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー オベリスク」は、連層耐震壁「スーパーウォール」を主体としたメガストラクチャーとセミアクティブ免震構造との組み合わせによって、高い耐震安全性を確保するとともに内部空間の自由度を最大限に高め、建物の様々な機能と異なるモデュールを統合し、建築デザインとして昇華させました。
これらの点を高く評価され、構造設計を担当した当社設計本部構造II群篠崎洋三統括が表彰されました。
日本構造技術者協会:
https://www.jsca.or.jp/
NEWS:
2009.08 「第50回BCS賞(建築業協会賞)」で当社設計・施工2作品が受賞
https://www.taisei-design.jp/de/news/2009/08_01.html
2009.06 日本免震構造協会主催の賞をダブル受賞
https://www.taisei-design.jp/de/news/2009/06_01.html
代々木ゼミナール本部校 代ゼミタワー オベリスク | |
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所在地 | 東京都渋谷区 |
建築主 | 学校法人高宮学園 |
用途 | 専修学校、集合住宅 |
構造 | 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 (セミアクティブ免震構造) |
規模 | 地下3階、地上26階、塔屋1階 |
最高高さ | 134.00m |
建築面積 | 1,160.71m2 |
延床面積 | 27,175.10m2 |
竣工 | 2008年2月 |
設計 | 大成建設一級建築士事務所 |
施工 | 大成建設株式会社東京支店 |
空中庭園彫刻 | 安田侃 |
照明計画 | LIGHTDESIGN INC. |
ランドスケープ | オンサイト計画設計事務所 |
レストランインテリア | デザインエイト |
サイン | 矢萩喜從郎 |
詳細 | WORKS: https://www.taisei-design.jp/de/works/2008/yoyogi.html |
篠崎洋三氏の受賞の弁(機関誌「structure」より)
この度JSCA賞に御推挙頂きありがとうございます。この作品に携わったチームを代表して御礼申し上げます。
思えば、構造設計を進路として決めた大学生の頃、多田先生の免震構造の実大実験を見学する機会がありました。免震構造のすばらしさと可能性を感じながらも、今の免震構造の拡がりは想像だにできませんでした。その折、一緒に見学に来られていた同窓の先輩に、大成の構造設計に内定した事、そして将来は超高層ビルを設計してみたいという初心をお話ししました。そして、「超高層は、連層耐震壁をどう使うか、それが設計の要だよ」というアドバイスを頂きました。あれからちょうど25年、奇しくも免震構造が超高層の設計に何ができるかに挑んだ作品に出会え、この賞を頂いた事は偶然とは思えません。
昨今のドバイに代表される投資目的的な海外の建築設計において、構造設計の役割りは、コンピューターの計算に終始しているように感じます。その内デザイナーのCADを元にコンピューターが構造設計をやってしまうかもしれません。構造設計は経験工学であり、地震被害や設計ミスなどの経験無しには成り立たないと感じています。また、伝統木造を始めとして、構造のおもしろさの第一は、どう作るかを考える事ではないかと思います。本プロジェクトは、設計当初より意匠・設備そして建設チームも一緒に建物の作り方を練り上げた作品です。苦い経験ともの作りのおもしろさを通して構造技術という無形財産を後輩たちに伝えていければ、この作品を通して構造設計という仕事の魅力を若い人が感じてくれれば幸いです。
最後に、私をここまで指導頂いた大学時代からの恩師、級友、入社以来の諸先輩方、そして一緒にプロジェクトを成し遂げたチームの皆さんにこの場を借りて感謝を伝えたいと思います。