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2008.04 豊かなコミュニケーションの空間「安田女子大学新9号館」が完成

新9号館アトリウム:大学祭で学生主催のファッションショーが開催されるなど、さまざまなイベントにも活用されています。 アトリウムに面した通路:アーティストとの共同作業によるアートワークが建物内を明るく彩っています。 明るく開放的な室内 新9号館の南西側外観 南東側外観
連続したアトリウム空間で2つの校舎を一体化

広島市安佐南区に位置する安田学園・安田女子大学は学園創立以来93年の伝統を誇る私立の名門校。この度、薬学部新設に伴う新9号館の建設を当社が設計・施工で手掛け、2007年9月より併用がスタートしました。
新9号館は、2003年に当社の設計・施工により完成した9号館(家政学部棟)と隣接する形で計画され、完成後は2つの建物が一体となってキャンパスの新たなシンボルとなることが期待されています。コンペでは既存の9号館とのデザインの整合性を保ちながら、最先端の薬学教育にふさわしい施設が求められました。

既存の9号館は、建物中央に高さ31m・7層吹き抜けの扇形のアトリウムが設けられ、トップライトからの自然光が建物内に降り注ぐ明るい空間が大きな特徴です。直線や曲線を多用した外観・内観のデザインは、『柔く剛く(やさしくつよく)』という安田学園の建学理念を表現したもの。新9号館の設計では、完成後の建物全体の形状とアトリウムをいかにマッチさせるかが大きなポイントとなりました。
アイデアを絞り込んでいった結果、既存アトリウムのガラス外壁面を撤去して新設のアトリウムと連続させ、半円形の広々としたアトリウムによって2つの建物を一体化するプランが選ばれました。


9号館施設見取り図(6階)

実績と技術力に裏打ちされた計画

薬学部のカリキュラムに即し、教室や研究室などの最適なプランニングを提案。当社が他大学で薬学部の立ち上げに関わった実績が高く評価されました。
アトリウムは上階に向かってセットバックする形状とし、既存アトリウムとは少し異なる表情となっています。
また、トップライトに設置された自動換気装置や上部の暖気を下部へ循環させる装置など、環境面にも十分配慮した設計となっています。

学生の知的好奇心を喚起し、想像力を育む施設

『学校は施設産業であり魅力的な校舎が必要である』というコンセプトの下、学習や研究をするための機能の追及ばかりでなく、学生たちの自由なコミュニケーションを通じて知的好奇心を喚起し想像力を育む環境づくりを大きなテーマに掲げました。
今回のアトリウムの設計でも、どこにいても人の声や気配が感じられ、建物との一体感が感じられるような快適な空間を目指しました。
また、教室の壁もガラス張りを多用し、外から室内の様子が見えることで、校舎全体に活気が伝わる効果を狙いました。

新9号館がオープンして半年近く。他学部からも多くの学生が集まる交流スペースとして親しまれています。

安田女子大学新9号館
所在地 広島市安佐南区
建主 学校法人安田学園
用途 大学
敷地面積 121,824.54m2
建築面積 2,882.72m2
延床面積 14,026.17m2
階数 地下:1階/地上:7階
構造 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
工期 2006年7月~2007年9月
設計者 大成建設株式会社一級建築士事務所
アートワーク 株式会社アートフロントギャラリー
施工者 大成建設株式会社広島支店