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2007.07 「MIKIMOTO Ginza 2」がJSCA賞を受賞

当社が設計施工(*下記設計者参照)し、2006年1月にオープンした『MIKIMOTO Ginza 2』が、第18回JSCA賞を受賞いたしました。

日本構造技術者協会の主催する同賞は、構造家の持つ優れた資質を顕在化し、次の世代を刺激し活性化を図り、また構造家の活動を社会的に掲示してゆくことを目的としており、構造面での創意・着想に優れた建築作品の構造設計者に贈られます。
「MIKIMOTO Ginza 2」はこの賞において、「鋼板コンクリート構造」の力学特性や耐火性能等の確認実験等、着実なステップを踏み、印象的なファサードの実現を図った点が評価され、構造設計を担当した当社構造Gr早部安弘シニア・エンジニアが表彰されました。

MIKIMOTO Ginza 2 MIKIMOTO Ginza 2
MIKIMOTO Ginza 2
所在地 東京都中央区
建主 ミキモト
主要用途 店舗 事務所
敷地面積 275.74m2
建築面積 237.69m2
延床面積 2,205.02m2
階数 地下:1階/地上:9階
構造 鉄骨造(鋼板コンクリート構造)
一部壁式鉄筋コンクリート造
工期 2004年11月~2005年11月
建築設計 伊東豊雄建築設計事務所 大成建設一級建築士事務所
構造設計 佐々木睦朗構造計画研究所 大成建設一級建築士事務所
設備設計 大成建設一級建築士事務所
窓まわり照明 LIGHTDESIGN INC.

早部安弘氏の受賞の弁(機関誌「sutructure」より)
今回、JSCA賞の作品賞に選出していただき、誠にありがとうございます。構造設計者として憧れでしたJSCA賞を受賞できて、素直に嬉しく思います。
このビルに採用した鋼板コンクリート構造は、伊東先生と佐々木先生にとって過去のコンペ等で提案をされてはいましたが、未だに実現していない構造でありました。この構造を「MIKIMOTO Ginza2」で実現する、その構造設計を託されたときから、私にとっての試行錯誤の日々が始まりました。今までに前例のない構造システムを設計するのですから、解析手法やディテールから全てがゼロからのスタートでした。計画の初期に、佐々木先生にディテールについて問いかけると、逆に「君が考えるんだ」と叱咤激励をいただきました。これを励みに、解析モデルの構築方法や応力の検証方法、ユニットパネルの構成、接合部のディテールなどを考案していく日々へとつながりました。また、鋼板コンクリート構造は施工する側にとっても初めてのことですから、設計者と施工者、さらには職人の方々も一緒になって、作り方の議論を何度も何度も重ねました。その結果が、このビルのすばらしい仕上がりにつながったと思います。
「MIKIMOTO Ginza2」が竣工してから1年半ほどがたちますが、今でも銀座に行って、このビルの前を通ることがあると、壁に手をあててしまいます。このビルを建てるために関わった多くの方々の汗と努力と熱意がこの壁に詰まっており、壁にあてた手を伝わって当時のやりとりが聞こえてきそうになります。その意味では、この賞は関係者全員の努力の賜物だと思います。改めて、計画当初から私を指導していただきました佐々木睦朗先生をはじめ、伊東豊雄先生ならびに伊東事務所の皆様、大成設計チームの皆様、施工に関係された作業所の皆様と全ての職人の皆様、そして設計の機会を与えてくださった株式会社ミキモトの皆様に心より感謝の意を申し上げます。ありがとうございました。