当社設計・当社施工作品の「東京国際大学池袋キャンパス」が2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。
公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催する当賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動であり、1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
当賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
GOOD DESIGN AWARD (g-mark.org):https://www.g-mark.org/
東京国際大学池袋キャンパス:https://www.g-mark.org/gallery/winners/23769
東京国際大学池袋キャンパス
概要
池袋の旧造幣局跡地に立つ、東京国際大学の新キャンパスの計画です。地域に開きつつも学問の場としての空気感を纏った新しい大学キャンパスを目指しました。池袋の「劇場都市」コンセプトを活かし、地域に対して学生の活動がステージのように浮かぶ「ステージ型キャンパス」を創出しています。学生と地域が適度な距離をとりつつ互いに影響し合う関係を生み出しました。
デザインのポイント
1.学生の活動拠点を2階レベルにすることで、地域の風景と連続しつつ、アカデミックな空間性を確立
2.2階レベルには半屋外の学生の居場所を計画。縁側のような快適さと公園への美 しい眺望を提供
3.機能毎にボリュームを分割し、その間隙に学生の多様な活動が交錯し刺激を生む交流スペースを散りばめた
背景
近年新設される大学キャンパスの潮流の一つに、都市に対して塀を設けず地域に開かれたキャンパスを目指す事例が多数あります。しかし設計に際し大学関係者との対話を重ねる中で、開かれたキャンパスの学問の場としての空気感、緊張感に満ちた場所性の喪失が切実な課題として浮彫となりました。
一方で、旧造幣局跡地の活用にあたり、大学キャンパスは地域全体の賑わい、活性化の一端を担っています。単に塀で囲う事で場所の独自性を回復させる方法ではなく、大学ならではの学問の場としての格調を創出しつつ、都市を活性化させています。コミュニケーションツールの発達や価値観の多様化するなかで、ボーダレスにつながる場所ではなく、大学キャンパスだからこそ可能な場所としての価値を創出することを目指しました。
経緯とその成果
敷地である池袋の「劇場都市」コンセプトの持つ舞台性を手掛かりに、公園に浮かぶステージの様な場所を目指しました。あえて公園からのシームレスな連続性は避け、メインフロアを2階に上げて結界性を創出し、知的空気感をキャンパス内部に留めました。公園レベルから少し高い位置に設けられた学生の居場所は、半屋外の縁側のような快適さと公園への美しい眺望を提供しています。同時に公園からは、見上げる先に世界各国から集まった学生たちの活動が舞台上の役者のように浮かび上がる計画としました。
また、大学の多様な機能を単調なヴォリュームにまとめず、機能毎に最適化した形状とし、その間隙に学生の交流スペースを散りばめました。立体的に織り込んだ様々な学生の居場所がキャンパス全体を舞台にし、公園や地域と適度な距離感を保ちつつ、強い相互関係を生み出しています。公園を訪れる人々が大学の知的な賑わいを感じ、学問への扉をたたきたくなるようなキャンパスを目指しました。
建物概要
- 建築主
- 学校法人東京国際大学
- 所在地
- 東京都豊島区東池袋四丁目42番31号
- 用途
- 大学
- 構造
- 鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、免震構造
- 階数
- 地上22階、塔屋3階
- 敷地面積
- 10,000.05m2
- 建築面積
- 4,991.84m2
- 延床面積
- 35,896.45m2
- 工期
- 2020年11月 ~ 2023年5月
- 設計
- 大成建設株式会社一級建築士事務所
- 施工
- 大成建設株式会社東京支店
- WORKS:
- 東京国際大学池袋キャンパス
大成建設担当者
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- 建築設計
- 輿石秀人
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- 建築設計
- 西尾吉貴
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- 建築設計
- 麻田北斗
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- 建築設計
- 生出健太郎
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- 建築設計
- 滝村菜香
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- 構造設計
- 髙澤昌義
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- 設備設計
- 小和田信裕
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- 設備設計
- 渡邊裕美子
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- 電気設計
- 皆川翔太郎