- 用途
- 事務所
- 所在地
- 大阪府大阪市中央区
- 延床面積
- 13,651.55m2
- 階数
- 地下2階、地上9階、塔屋1階
建築設計コンセプト
人・建物・地球の健康を未来へつなぐ 多様な顧客ニーズに応える先進+汎用ZEB化技術の実践
省エネ・創エネ・脱炭素・ウェルネス・スマート化・安心の6つのテーマをもとに、人も建物も地球も健康になる「グリーンリニューアル」をコンセプトとした大成建設関西支店ビルZEB化改修計画です。
外装のリニューアルによる断熱強化・高機能化(PASSIVE性能の強化)と設備機器の高効率化・エネルギー消費量の削減(ACTIVE性能の強化)によりZEB Ready(BEI0.37達成)を実現しました。
多様な顧客ニーズに応えるZEB化先進技術・汎用技術を多数採用しながら、関西支店竣工当時のアイデンティティを未来へと受け継ぐバイオフィリックデザイン、ネイチャーポジティブの思想も取り入れ、人々が生き生きと働くウェルネスオフィスを構築しました。改修から運用までのプロセスの見える化も図りながら、社員や見学者にZEB化を自分事として体験してもらうライブショールームとしての空間づくりにも取り組み、西日本のZEB化発信拠点の実現を目指しました。
太陽光を遮りエネルギーをつくる外装ユニット「Line Cell」の開発
シミュレーションによりサイズ・間隔を最適化検証した日射遮蔽ルーバー上段には、シースルータイプのガラス一体型発電システム(T-Green Multi Solar)を乗せ、創エネと解放感・日射遮蔽を両立しています。下段ルーバーには、植栽ユニットを配置し建物内外へ緑の風景を提供しています。働く人がより身近に自然を感じ、ウェルネスと共に、創造性・知的生産性向上にも寄与する創エネ+省エネ+緑化一体型外装ユニットを構築しました。
日射負荷を低減しながらウェルネス・ABW空間となる半屋外テラス「Inner Cell」の計画
内部空間を半屋外化し外壁をセットバック、日射を抑制することで空調負荷を低減します。木と緑を用いたバイオフィリックデザインによりワークスペースやリフレッシュエリア等として幅広く活用することが可能です。
構造設計コンセプト
既存躯体への負荷を増さずに価値を増す「Line Cell」
「Line Cell」のアルミルーバーは押し出し材を用いてデザイン性に配慮し、支持材は最小限のサイズするため、さらに内観の温かみを増すため、補剛を兼ねる木材を鉄骨と組み合わせました。
既存躯体への影響を極力小さくするために、軽い部材で構成することを突き詰め、柱の近くに支持間柱を設けて既存躯体への影響を増さないこととしました。この方法により今後適用を考える案件に対し、改修のハードルを下げることができます。
設備設計コンセプト
ストレスレスで快適な省エネオフィス
リニューアルで導入しやすい設備を中心に省エネ技術を採用しました。更に従来の省エネ技術よりも高い省エネ効果が期待できる、最新技術を組み合わせています。利用者が特別な操作をすることなく、快適な空調・光環境を得ることができつつ、高い省エネ効果が得られる技術を導入しています。運用開始後のモニタリング・調整による更なる改善により運用時でのNeary ZEBを目指します。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社関西支店 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 米澤俊樹、吉井麻弥、番匠真美、関西支店設計部ワーキングチーム |
構造設計 | 西本信哉、笹井弘雄、豊島裕樹 |
設備設計 | 湯浅孝、安藤直也、冨田峻亮、福間麻里子、川村圭 |
電気設計 | 湯浅孝、内田元、木谷宇 |
設備新技術開発 | 豊原範之、菅原圭子、関根賢太郎、張本和芳、渡邉深雪、鹿毛比奈子 |
緑化技術 | 屋祢下亮、渡邊敬太 |
社外受賞
2024年 | 第58回 日本サインデザイン賞 銅賞 |
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