- 用途
- 寺院、ホテル、物販店舗
- 所在地
- 大阪府大阪市中央区
- 延床面積
- 9,530.50m2
- 階数
- 地下1階、地上15階
建築設計コンセプト
ホテルと共存しながら、本堂を次世代へ。仏教を身近に感じる街に開かれた寺院
1808(文化5)年に建立された三津寺本堂をまるごと新築建物の3層吹抜のピロティ空間内に曳家をし、寺院・ホテル・店舗を併設する複合建築です。
檀信徒の寄進のみに頼ることなく持続可能な寺経営を行うべく、土地の有効利用として既存の木造本堂を新築建物に覆う形として、その上部に容積を乗せる都市型寺院の新しいプロトタイプを提案しました。
御堂筋に面した西面を敷地の正面とし、寺院とホテル双方が御堂筋からアクセスする計画に加え、御堂筋を行き交う人の流れを呼び込み、街に開かれた境内を本計画の中心に据えることで、仏教を身近に感じられる空間を実現しました。
構造設計コンセプト
3層吹抜けを支え60mクラスの建物の揺れを制御する構造架構
新築建物は柱にCFT柱を採用した鉄骨造です。本堂を限られた空間に納めるため、長方形CFT柱や斜め柱を用いて計画しました。
本堂上部のロングスパン梁に設けた陸立ち制振間柱は、地震時に積極的にエネルギーを吸収し、主架構の損傷を低減させる機能を担っています。
低層部には座屈拘束ブレースを配置し、剛性と耐力を確保しました。また本堂吹抜け部分に対しては、北面の3層にまたがる外壁に吹抜空間の剛性を補うブレース構面を設け、架構全体で地震時のねじれ変形による揺れを低減させ、本堂を内包するダイナミックなピロティ空間を実現させました。
曳家でエントランス部に移設された本堂については、中地震時には本堂と新築建物間に互いの変形が干渉しないクリアランスを確保しました。また大変形による倒壊が懸念される大地震時には、新築建物に本堂の屋根荷重を預けて本堂の倒壊を防ぐ計画としました。
設備設計コンセプト
安心・安全と快適性を目指した設備計画
木造建築を内包する空間のため、放水型スプリンクラー設備を設置し、火災に対する安心・安全を実現し、また本堂内の照明についても蝋燭の光から照明の光とし、さまざまなイベントに合わせて照明設定が可能なよう照明計画を行いました。
ホテル客室の空調はルームエアコンを採用し、ローコストかつ、機器故障時の売り止めリスクを最小化、各個室ごとに冷暖フリーとしています。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社関西支店 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 平井浩之、宮本育美、水野裕介、田中あゆ |
構造設計 | 西本信哉(前期)、阪井由尚(後期)、岩井昭夫、豊島裕樹 |
設備設計 | 湯浅孝、鈴木真人 |
電気設計 | 湯浅孝、古角敬司 |
伝統・保存 | 松尾浩樹、水野俊、鬼頭貴大 |
音響 | 買手正浩 |
社外受賞
2024年 | 日本空間デザイン賞2024 公共施設・コミュニティー空間カテゴリー サステナブル空間賞 |
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