WORKS 2023

東京避雷針工業 横浜支店

THK YOKOHAMA BRANCH

  • 東側外観:内部の空間構成がそのまま映し出された外観

  • 西側外観:ボリュームの立体配置が実現する表裏一体の外観

  • 東側外観詳細:ボリューム毎に異なる外装が多様な表情を見せる

  • テラス:2層のテラスがまちと建築の交流を促す

  • 東側外観詳細(夕景):浮造り加工ラーチ合板型枠のRC打放壁面と小松石敷き

  • エントランスホール:粗野な素材がつくる、この場所らしい空間

  • 階段室:アクティビティとコミュニケーションを誘発する外のような階段室

  • 4階会議室:ゲートの下に拡がる、開放的な執務空間

  • 東側外観(夕景):新旧のまちと繋がるオープンな建築

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用途
事務所
所在地
神奈川県横浜市神奈川区
延床面積
787.16m2
階数
地上4階

建築設計コンセプト

まちと繋がる建築

土地区画整理事業に伴う、事務所の新築計画です。40年間使い続けてきた事務所からの移転先は、東に今後変わりゆく「新しくなるまち」、西に「今まで通りのまち」に面した、まちの境界に位置していました。この地に根差した施主に相応しい新事務所として、新旧どちらのまちにも繋がる「GATE」でできた建築を提示しました。

開かれたWORKSPACE

3つのボリュームレイアウトで構成しました。アウトラインをつくる「GATE」に、1・2階の「BOX」、3・4階の「TUBE」を配置し、内部空間と外観、両面のファサードを同時にかたちにしています。ボリュームの隙間はまちと繋がる明るい空間―OPEN WORKSPACE―として、従業員が自由に働ける場所です。執務空間に隣接して設けたテラスでは、吹き抜ける海風が感じられ、今も昔も同じまちで働いていることを実感できる空間となっています。

この場所らしい空間

周囲の工業地域らしいまちと繋がる建築空間を目指しました。「素材の肌理」を大事に、触りたくなる表情の仕上げ材を選定しました。コンクリートの型枠には、木の風合いが感じられるOSBやサンドブラスト処理したラーチ合板を用い、エントランスの庇は避雷針を想起させるスチール、床はラフな質感を持つコンクリート平板で仕上げました。外構には、かつてこの地にあった神奈川台場の石積みと同じ、小松石を敷き並べました。素材の表情がこの場所らしい空気感をつくり出し、時の経過と共に、空間をより豊かにしてくれることを期待しています。

構造設計コンセプト

フラットな門型フレームによる大スパン空間の実現を目指しました。妻面の壁厚を屋根と同程度の厚さとし、フレームの一体感を持たせました。スラブにはアンボンドスラブを採用し、重量軽減のために4階床と屋根にはボイドスラブを採用しました。スラブ底を内外連続させることで、インテリア空間に拡がりを生み出し、まちとシームレスに繋がる空間を実現しています。
階段はRC壁からの片持ち階段として、壁から薄い踏板だけが跳ね出して見えるように、ササラを壁の中に埋め込む納まりにしています。木で仕上げた踏面を、跳ね出した鉄板にズラして積層することで、それぞれの材料のエッジが際立つシャープな意匠としています。

設備設計コンセプト

天井に躯体が露出する3・4階の執務空間を実現するため、床下吹出空調を採用しました。BIMを用いて、入念に建築計画と調整し、ベントキャップや室外機が一切外観に露出しない設備計画としました。また、室外機置場を4階に設けたことで、設備機器のない極めて美しいフラット屋根の「GATE」を実現しています。
照明計画は、3階執務室については天井躯体にライン照明を埋込みました。内外連続した天井面をつくることで、機能性と意匠性を両立した開放感ある設えとしています。4階では上下配光の吊照明を採用することで、「GATE」を浮かび上がらせる効果を演出しています。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 清水悟、影山真平
構造設計 池間典一、関根夕貴
設備設計 川崎賢哉、瀬下哲也、長谷川涼太
電気設計 中井信雄、池上海

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