- 用途
- 中学校、高等学校
- 所在地
- 大阪府茨木市
- 延床面積
- 11,847.16m2
- 階数
- 地下1階、地上4階
建築設計コンセプト
分散していた校舎群を学園軸により1つに統合
大成建設の創業者、大倉喜八郎が創立した大阪大倉商業学校をルーツにもつ関西大倉学園の創立120周年を記念した大規模建替えプロジェクトです。
広大な敷地に分散する築60年の校舎群を、ローリングにより高校棟・共用棟を建設し、既存校舎2棟の改修、外構整備を行いました。中学・高校・共用棟の3棟をキャンパス軸で1つに統合することで、明快なゾーニング・動線計画とし、豊かな共用空間を創出しました。渡り廊下は、共用棟からの片持ちとし、1階外構部に柱を落とさない架構とすることで、エントランス前の動線を遮らない計画としました。
至るところが学びの場となる、豊かな緑のキャンパス
未来へ羽ばたくための夢舞台となる学び舎をテーマに、以下のコンセプトによる、豊かな緑のキャンパスを創出しました。
- 里山の自然を活かした緑豊かな教育環境の継承
周囲の豊かな自然を校舎内に取り込む設え、季節風を取込んだ吹抜の換気システム等、自然と寄り添い共生する教育環境を創出しました。 - 生徒・先生の交流を育む豊かな共用空間の創出
新たな交流の場となるキャンパスプラザ、本の壁で囲まれたブックストリート等豊かな緑を取り込んだ多彩な自学自習の場、共用空間を散りばめることで、キャンパスの至るところが学びの場となり、更なる交流を育むことを意図しました。
構造設計コンセプト
高校棟と共用棟は、渡り廊下部分にてエキスパンションジョイントを設け別棟としました。
高校棟および共用棟ともに鉄筋コンクリート造を採用し(共用棟の一部、渡り廊下は鉄骨造)、建物短辺方向は教室間の壁を耐震壁とした耐震壁付ラーメン構造とし、建物長辺方向は開放性を高めるためにラーメン構造としています。
共用棟の円弧型を形成する2階部分は、プレストレストコンクリートを用いた片持ち構造とすることで、地形と調和した、柱のないダイナミックな外観デザインを実現しました。
渡り廊下は引張ブレースで長期荷重を支持することにより、スレンダーな架構を実現している。
設備設計コンセプト
環境負荷に配慮し、教室の照明は昼光センサー調光制御を取り入れ、室内機の人感センサーやCO2センサーによる風量制御を採用しました。
各棟の吹抜上部にトップライトを設けて重力換気を行うことで、自然通風を積極的に取り込んだパッシブな校舎を目指しました。
担当
担当 | |
---|---|
CM | 日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 輿石秀人、矢崎裕信、野口鮎子、久保順司、高山武 |
構造設計 | 渡辺征晃、渡邊祐一、斎藤香織、野口裕介、松野勇輝、曲鳳軍 |
設備設計 | 村田義郎、龍英夫、鈴木庸平、田村健 |
電気設計 | 村田義郎、龍英夫、箭内伸司 |
受賞
2023年 | 関西支部照明施設 奨励賞 |
---|