- 用途
- 事務所、物販店舗、駐車場
- 所在地
- 東京都中央区
- 延床面積
- 13,490.51m2
- 階数
- 地下1階、地上13階、塔屋1階
建築設計コンセプト
ワーカーの創造性を刺激する「働き方提案型」テナントオフィス
東京・八重洲の交差点に立つ、テナントオフィスビルです。東京駅から伸びる八重洲通りから建物のボリュームを後退させて間口を広く確保すると共に、高層階にガラスの箱「クリエイティブテラス」が突出する特徴的な建築としました。
外装は、外部(都市)に開く石のプレートと環境に調和するアルミルーバー庇を積層させたシャープで繊細なデザインとし、京橋の落ち着いた佇まいの街並みとの調和を目指しました。
基準階オフィスは、ワンフロア約830m2の大空間、アウトフレーム構造により整形無柱空間としました。敷地が四周を道路に面していることから三面採光、四隅コーナービューが得られ、開放的な執務空間となっています。
ワークスタイルの変化に応え、一人ひとりのワーカーが創造性・生産性を高められるよう、各階貸室にオフィスキッチンや外部テラスを実装するなど、多様な働き方を促す仕掛けを随所に設けています。
多様な働き方を促す仕掛けの一つとして、通常共用部に設けられる給湯スペースを専有部内にオフィスキッチンとして設けました。建物コアのコンパクト化、専有面積の拡大にも寄与しています。各階2箇所に設けたキッチンユニットは、テナントの要望に応じて自由な向きで配置でき、プライベートテラスとの一体的な空間づくりも可能です。リフレッシュやミーティング、パーティー等のシーンに対応し、社内外の交流スペースとなります。
1階共用部にはジェンダーを問わず誰もが使いやすい個室トイレ「Restroom+」を設けました。身支度を整えるスペースを併設し、オンとオフの切替えを促す、ワーカーのこころとからだを整える空間としました。
構造設計コンセプト
大地震後の事業継続性を考慮し、地下1階柱頭に天然ゴム系積層ゴム支承と弾性すべり支承、オイルダンパーを配した免震構造としました。
上部構造は、17.2mの無柱空間を実現するため、S造(柱CFT造)を採用し、DS内の大梁を逆梁とすることで、設備配管のスペースを確保しました。
基礎は、杭頭半剛接合構法による場所打ちコンクリート杭を用いて高い耐震性能を確保し、地盤が液状化した際も健全に建物を支持できるようにしています。
設備設計コンセプト
本建物は、省エネルギーと快適性を両立するスマートオフィスとして、様々な環境配慮技術を導入するとともに、BCP対策にも配慮した計画としています。
事務所専有部には赤外線センサを天井に設置し、約2.5m2毎に人の在不在を検知しています。このセンサにより照明器具1灯毎の調光制御を行うとともに、今回新たに執務空間の温度情報を見える化し、空調制御へのフィードバックにも利用する取り組みを行っています。
また、水冷ビルマルと中央熱源の外調機を組合せた空調システムとし、きめ細かい温度制御と湿度制御により執務者の快適性を向上させ、設備の高効率運転により省エネルギーを実現しています。
これらの取り組みにより設計段階でBEI=0.49のBELS ZEB Ready認証を取得しました。
BCP対策としては、72時間運転可能な非常用発電機、3日分の飲料水の確保、7日分の非常用汚水槽を備え、震災等によるインフラ途絶時にも館内の帰宅困難者や入居テナントのBCP実現に寄与する計画となっています。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 中藤泰昭(前期)、藤本鉄平(後期)、古畑文子、酒井江梨子、坪沼一希(コンペ時)、遠藤貴弘(コンペ時) |
構造設計 | 一色裕二、青野英志、橋本直樹、伊藤晶 |
設備設計 | 梶山隆史、長徹(前期)、平井宏幸(後期)、小倉三奈実 |
電気設計 | 梶山隆史、吉田幸生 |
法規 | 藤原稔 |
受賞
2024年 | グッドデザイン賞 |
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2024年 | 電気設備学会賞 技術部門 優秀施設賞 |
2024年 | 照明施設賞 東京支部審査委員特別賞 |