- 用途
- 各種学校
- 所在地
- 神奈川県横浜市中区
- 延床面積
- 14,865.73m2
- 階数
- 地上4階
建築設計コンセプト
幅広い年齢の子供たちが交流を行い、多様な教育を促す「One School」キャンパス
横浜インターナショナルスクール(以下YIS)は、1924年に設立した歴史ある世界で2番目に名称に「インターナショナル」を掲げた学校で、共学、54か国、3歳~18歳までの幼稚園~高校にあたる約700人が学び、約100人の教職員か働く学校です。
旧校舎は、横浜市中区の港の見える丘公園に隣接・近接した一等地にありますが、学校施設が住宅地の中に点在し、かつ手狭になったため、新たに本牧地区の新しい土地を入手し新築移転を決断しました。
基本設計は、複数の設計事務所のプロポーザルから、隈研吾建築都市設計事務所が選ばれ、基本設計完了後、実施設計・施工のコンペで当社が選ばれました。
幅広い年齢の子供たちが交流をしながら、国際的な視野の人材育成を目的とした国際バカロレア(IB)の多様な教育プログラムを促す様々な教育空間を建物内外に設ける「One School」を掲げた施設となりました。
構造設計コンセプト
北棟と南棟は渡り廊下でEXP.Jで構造上は分かれています。北棟は約84m×48mの純ラーメン架構の鉄骨造、南棟は約32m×61mの1階は純ラーメン構造、2階以上はブレース付きラーメン構造の鉄骨造です。屋根は寄棟屋根であるため、鉄骨梁の形状を各通りの屋根形状に合わせた形とすることで寄棟屋根を実現しています。
外部はALC外壁の外部に木パネルを取り付ける外観となっており、鉄骨フレームを柱の各階から片持ちで構成し、ALC工事の外壁工事の後にパネル工事を行えるような架構としています。
北棟のオープンハブには1~2階をつなぐ大きな螺旋階段があり、外円側のササラを構成せず支柱からの片持ち梁にし、踏面・蹴上の線を見せることで、軽やかに吹き抜けを上がる階段となっています。
また、BIMを最大限に活用し、キャットウォークや膜天井支持材などの附帯鉄骨も入力し、主幹フレームとの取り合いまで確認しています。さらに、支持層が傾斜地盤であったため、ボーリング調査結果からBIMに支持層を入力することで、杭長の設定の確認にも活用しています。
設備設計コンセプト
設備を出来るだけ目立たせない納まりとするとともに、機器の多くを指定色塗装とし、吹抜けのオープンハブなどメインの空間では空調の吹出口を木ルーバーで隠す、床コンセントはフローリングに隠すなど、意匠を損なわないよう空間と設備を調和させる計画としています。また、デザインの特徴でもある食堂と図書室の天井ルーバー部分については、吹出・吸込口や照明をルーバーの間に配置し、ルーバー高さや角度を調整することで、一見すると設備が目立たないような納まりとしました。雨水を貯留し植栽散水に再利用することや、BEMSを採用しエネルギーの使用状況を可視化するなど、環境にも配慮した計画となっています。
担当
担当 | |
---|---|
基本設計・デザイン監修 | 隈研吾建築都市設計事務所 |
実施設計・監理 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
外構設計協力 | ウダカミチオランドスケープスタジオ、グリーンワイズ |
家具設計協力 | 三越伊勢丹プロパティ・デザイン |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 輿石秀人、山東耕太、河合義之、高島守央、松浦有子、山下優美子、岡田麻友子、久保順司 |
構造設計 | 島村高平、菅野貴孔、山﨑由美子 |
設備設計 | 高木淳、小澤弘和、小寺雄也 |
電気設計 | 高木淳、入江俊介 |
音響 | 買手正浩、野島僚子 |
受賞
2023年 | 第65回 神奈川建築コンクール 優秀賞 |
---|