- 用途
- 工場
- 所在地
- 山梨県南アルプス市
- 延床面積
- 7,393.45m2
- 階数
- 地上2階
建築設計コンセプト
MOUTH WELLNESS FACTORY
サンスター株式会社におけるオーラルケア製品の製造拠点拡大に伴う、工場の新築計画です。
「MOUTH WELLNESS FACTORY~太陽が昇る朝から、星が輝く夜まで、お口の健康から全身の健康をサポートする工場~」をコンセプトに、建物は周辺環境へ配慮したボリューム配置と、特徴的な外観デザインによる企業アピールを行い、機能性に優れた高効率な製造環境を構築しました。「明るく開放的な空間」「安全・安心」「環境配慮」「省人・省力化」「拡張性・更新性」の5つの視点で計画を進めました。
5つの建築コンセプトは、工場の見学に訪れた来訪者の健康への意識を変えるきっかけとなるだけではなく、従業員のオーラルケアと心身の健康に配慮した、高効率なワークプレイスを創り出すものです。また、従業員の安全を守る構造計画と、安心・安全な製品を製造するための、GMPに準拠した製造環境を構築しました。環境面では、様々な省エネ技術の採用と、容器成形から搬出まで一貫した製造工程により省人・省力化を図ることで、原材料の搬入や工場稼働時のCO2排出量を削減し、カーボンニュートラルを目指しました。更に、将来用地・機器増設スペースを設け、拡張時もスムーズに製造が開始できるよう配慮しました。人々の健康意識を高めるこの工場が、昨今のコロナ禍における国民の健康意識への高まりに応えるものになることを期待します。
構造設計コンセプト
安全性と使い勝手を考慮した構造計画とし、大地震後のダウンタイムの短縮を目指しました。
建物の重要度係数Iは1.25とし、保有水平耐力余裕度を確保するため、X・Y方向ともにブレース付ラーメン構造で、アンボンドブレース(座屈拘束ブレース)を採用しています。
また、製造機械や見学窓に配慮したブレース配置としました。
構造体は大地震に対しても人命や製品の安全が図っており、設備も構造の重要度係数に整合した耐震クラスに設定しました。天井においても金物補強工法や準構造とし、落下防止対策を講じています。
設備設計コンセプト
成形・充填室・秤量調製室の製造エリアはクラス100,000のクリーンルームであり、空調機+ターミナルヒータにより恒温恒湿環境を保つとともに換気回数10回/H以上を設定しています。また、生産機器発熱が大きいエリアはクリーンルームPACを併用し、発熱除去を行っています。調製室、香料秤量調合室、原料タンク室は危険物を取り扱うため、全外気方式による空調とし、室内は防爆対応、固定式泡消火設備による安全対策を行っています。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 横溝成人、橋爪宏直、中村絵理子 |
構造設計 | 山﨑英一、阪井由尚、金野聡美 |
設備設計 | 岩村卓嗣、安田勝彦 |
電気設計 | 岩村卓嗣、末吉剛 |
エンジニアリング | 大川博一、竹田太郎、山下見知子、岡田洪祐 |