- 用途
- 事務所、貸会議室、美術品展示場、飲食店、駐車場
- 所在地
- 東京都千代田区
- 延床面積
- 80,099.47m2
- 階数
- 地下2階、地上22階、塔屋3階
建築設計コンセプト
本建物は、新しい時代に求められる、多様な働き方を支援するワークプレースを主に、地域に開かれた育成用途を併設する複合建築です。ビジネスと生活、都市と自然、技術と芸術。各々が融合する場を創出し、発信と交流の拠点となるよう計画しています。
多彩な要素を統合するデザインの核となっているのは、皇居近接する敷地条件と、グローバル企業である丸紅のアイデンティティから導かれる「日本の美意識」です。
建物配置は、南側の皇居の緑と空の広がりを最大限に享受できる計画とし、視界に入るサッシを最小限とした大判かつ省エネ性能の高いガラスによる開口部が、インテリアと都市をシームレスに接続します。
外装は、ワークプレースの自由度を向上するアウトフレームとして、水平に連続する石を積層したお濠と呼応するデザインとしています。白い花崗岩は旧丸紅ビルの外装を継承したものです。また、水平の石と垂直な柱との接合部は、材料を組んだ伝統的な表現とすることで、皇居との親和性を付与しています。
エントランスホールは、刻々と変化する光や四季の景色といった、日本の自然感を感じる静謐な空間としています。時の移ろうホールの背景には、外装と同じ白い花崗岩の石が、水平に刻まれて浮遊します。この石のルーバーは、重力に逆らい、静止した刻と不変性を表現しています。不確実で大きな変化を伴うこれからの社会にあっても、持続的に企業と都市が、成長・継続する姿を、建築として提示しています。
構造設計コンセプト
本計画は、地下2階、地上22階、塔屋2階の事務所及び育成用途を主要用途とする建物です。架構形式は、鉄骨造のラーメン架構とし、地震力を主にコア部と建物外周部で負担させることにより、オフィス空間は20m以上の無柱空間を実現させています。極めて稀に発生する地震動に対しても建物の安全性を保持し、損傷を最小限に抑えることを目的として免震構造(地下2階柱頭免震、一部地下1階マットスラブ上免震)を採用しています。免震システムには「ハイブリッドTASS(天然ゴム系積層ゴム支承+弾性すべり支承)」を採用し、オイルダンパーを併用することで、大小様々な地震に対して効率よく地震エネルギーを吸収し、後揺れを低減する効果をもたせています。
基礎形式は、主にGL-16.7m程度以深に分布するN値60以上の砂礫層を支持層とする直接基礎とし、既存地下躯体の耐圧板を残置しレベルコンクリートとして再利用することで当該支持層に支持させています。地下2階の躯体の無い範囲については杭基礎としています。
設備設計コンセプト
本建物は南側に皇居、北側に高速道路を有し、地域冷暖房、各種インフラ状況が整った敷地条件を最大限に利用し、省エネルギー性能、省資源、BCPに配慮した設備計画としました。
また、多様な要素を統合するデザインの核となるのはグローバル企業である丸紅のアイデンティティから導かれる「日本の美意識」であり、建築の美意識と設備の機能を融合した計画としました。
担当
担当 | |
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基本設計 | 日建設計・大成建設 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
監理 | 株式会社日建設計 |
社員食堂基本設計 | 株式会社グラム |
迎賓フロア基本計画 | 株式会社日建スペースデザイン |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 井深誠、中藤泰昭、真銅博司、笹井敦史、面髙宏樹、柴崎耕平、松村和昭、河中基宏 |
構造設計 | 新田隆雄、小林治男、一色裕二、磯部共伸、御所園奈歩、須田あゆみ、橋本直樹 |
設備設計 | 小野田修二、庄司朋子、藤村淳一 |
電気設計 | 小野田修二、松浦尚彦 |
インテリアデザイン | 大野博文、粟野寛史、中根健、鈴木健司、伊藤誠悟 |
ランドスケープ | 山下剛史、小池亘 |
受賞
2023年 | 照明施設賞 |
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2022年 | 第35回 日経ニューオフィス賞 ニューオフィス推進賞 クリエイティブ・オフィス賞 |