- 用途
- 集合住宅、店舗
- 所在地
- 東京都港区
- 延床面積
- 3,182.64m2
- 階数
- 地上12階
- Technology & Solution:
- The Juban
建築設計コンセプト
<麻布十番、上質な下町に「墨色」の陰影を湛えた集合住宅>
麻布十番に建つ賃貸マンションと店舗の計画です。都心の一等地にありながら、下町感のある麻布十番、この街らしい「上質感のある下町風情」を創り出しています。
「破墨」がつくる端正で静謐な佇まい
外観は、バルコニーの構成要素を極限までそぎ落とし、「床・隔壁・手摺」の3要素に絞りました。水墨画に「破墨」という技法があります。濃淡の異なる墨を乾く前に素早く塗り重ねて、遠近感や立体感を出す手法ですが、「破墨」になぞらえる様、「淡墨色のコンクリート床」・「濃墨色の木隔壁」・「茶墨色の手摺」というように素材感を活かしながら「墨色」の濃淡だけでミニマルに構成しました。抑えられた表現が、その静謐さの中に陰影を湛えた奥行き感をつくり、麻布十番の「上質な下町風情」となります。
「集約化」がもたらすフレキシビリティー
設備・構造の集約化により(後述)、室内リビング~屋外バルコニーにかけての開放性と共に、フレキシブルな更新性を獲得し、生活空間の一部として使える「リビングバルコニー」を実現しました。
構造設計コンセプト
建物中心を貫くRCコア壁(厚さ60cm)に耐震要素を集約し、外周部の柱梁サイズをできる限り小さくする架構計画としました。縮減された外部フレームにはハイサッシを採用し、居室の開放性と眺望を確保しています。
リビング内は梁の無いフラットスラブを打放し仕上げで露出させ、フレキシブルな空間を最大化するSI(スケルトンインフィル)システムを構築しました。
設備設計コンセプト
一般的に住宅のバルコニーに置かれる室外機や給湯器、その他雨樋や排気のベントキャップ等の設備要素を、「T-FLAT」の配管ルートを活用して各階の設備バルコニーに全て集約させました。こうして各住戸のバルコニーに設備類を表出させず、リビングの延長として利用できる特徴的なバルコニーを実現し、高付加価値の賃貸住宅としました。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 渡邉智介、横山恭太、水野裕介、小野塚直 |
構造設計 | 河本慎一郎、川岡千里、山崎章子、藻川哲平 |
設備設計 | 川崎賢哉、小畠忠久、山本健太郎 |
電気設計 | 川崎賢哉、中井信雄、池上海 |
受賞
2022年 | グッドデザイン賞 |
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2022年 | 照明施設賞 |