- 用途
- 大学
- 所在地
- 北海道札幌市手稲区
- 延床面積
- 16,490.41m2
- 階数
- 地下1階、地上4階、塔屋1階
- Technology & Solution:
- 北海道科学大学 中央棟(E棟)
- 北海道科学大学 D棟/E棟/F棟
建築設計コンセプト
反復するシステムが生む秩序をそのまま表現
本建物は、未来へのゲートをイメージした列柱により存在感を放っています。この列柱は多雪地域における積雪を避けたデザインとしてキャンパス内の既存校舎群から継承されたもので、キャンパス全体の景観に調和をもたらすと同時に、多くの計画的・機能的ソリューションを重ね合わせることをコンセプトとしています。
未来へのゲートを形成している3mの反復のシステムは、建築・設備計画においては3mモジュールの内部空間に柔軟な可変性と拡張性を備えるためのものです。このモジュールは構造だけでなく、照明、空調などの設置単位となることで、モジュールの連結に応じた空間構成の変更を容易なものとしています。また、施工計画においては3mユニットを単位とした工業化や共通化を通じて労務を軽減し、積雪時期を回避した工程計画を実現しました。そして、構造計画においてはプレキャストコンクリート柱と鉄骨梁によるハイブリッド構造での大空間架構を成立させるため構造体であり、環境計画における日射制御のためのルーバーを兼ねた仕上げ材でもあります。
建築を環境と技術の成果として素直に現前させることが、実学系総合大学として発展するこの大学の校舎に相応しいと考えた。
構造設計コンセプト
縦を基調とした外観デザイン、内部空間の可変性と拡張性に対応するため同一のモジュールを繰り返す合理的な構造形式を展開しています。本建物では鉄筋コンクリート造の柱と鉄骨造の梁を組み合わせた複合構法を採用しています。縦を基調とした外観デザインでは外周部の柱にPCa柱を採用し特徴的な鋭角な柱断面の品質を確保するとともに労務の軽減を図り、積雪期間を回避した限られた期間での地上躯体の施工を実現しています。内部空間の可変性と拡張性では、将来、間地切り等の変更が容易になるよう鉄骨造の梁を採用し鉄骨造の間柱を付加することで最大26.5mの大空間を実現しています。
設備設計コンセプト
前田キャンパスでは「寒冷地型スマートキャンパス」の実現を目指しており、D棟/E棟/F棟でも省エネルギー性とレジリエンス性の両面から検討した設備システムを導入しています。E棟にはガスコジェネレーションシステムを導入し、排熱を利用することで低炭素化に寄与しており、更にガスコジェネレーションシステムをブラックアウトスタート仕様とすることで、停電時でも電源供給が可能な計画としています。また、キャンパス全体のエネルギー使用量をデジタルサイネージにより見える化し、省エネ意識の向上を図っています。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
サインデザイン | エモーショナル・スペース・デザイン |
照明デザイン | トミタ・ライティングデザイン・オフィス |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 上甲孝、輿石秀人、西尾吉貴、村岡拓見、松延浩人、民野志織 |
構造設計 | 石澤賢史、井上慶一郎、中島徹、末木達也 |
設備設計 | 堀雄二、龍英夫、夏見洋平、川村圭、伊藤里佳子 |
電気設計 | 堀雄二、龍英夫、松村保彦、箭内伸司 |
ランドスケープ | 山下剛史、加瀬泰郎 |
受賞
年度 | 社外賞の名称・部門 | 種別など |
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2016年 | ジャパン・レジリエンス・アワード 教育機関部門 | 優秀賞 |
2018年度 | インテリアプランニングアワード 教育・文化施設 | 入選 |
2018年度 | 振興賞 振興賞技術振興賞第2区 | 技術振興賞 |
2018年度 | 日本コンクリート工学会賞 | 作品賞 |
平成29年 | 照明普及賞 | 優秀施設賞 |
2018年度 | グッドペインティングカラー | 特別賞 |
2016/2018 | International architecture contest | SPECIAL MENTION |
2021年度 | 日本サインデザイン賞 | 銅賞 |
2021年度 | 日本サインデザイン賞 | 北海道地区デザイン賞 |