- 用途
- 事務所、寄宿舎
- 所在地
- 東京都多摩市
- 延床面積
- 25,507.27m2
- 階数
- 地上17階、塔屋2階
建築設計コンセプト
企業を支えるバックオフィスと社員を育む場
あいおいニッセイ同和損害保険の新たな重要拠点となるバックオフィスと全国の研修所の集約を目的とした複合建築です。
保険は「時間のデザインである」と捉え、その仕組みをサポートする人々がこの場所で過ごす時間が生き生きとしたものになる建築を目指しました。
求められた機能は、約7000m2のオフィス、大小さまざまな研修室、約250人の研修者用の宿泊施設と在館者の食事を提供する食堂です。建物配置は既存事務所の業務継続のため、ローリング計画から敷地南側に集約し、南端は敷地を横断する高圧電線を避けるよう低層に抑え、高層部を敷地中央西側に計画することで日影条件を満足しながら、駅前空間に圧迫感の少ないランドマーク性のあるものとしました。この複合的な要素を統合するデザインに際し、駅前と多摩川を望む敷地条件、東西約100mの長大で特異な建物形状、各インフラとの近接による施工計画を意識しました。
構造設計コンセプト
不整形な建物形状を有する超高層免震建物の構造計画
周辺建物への圧迫感軽減と、事業の最大化を両立させた不整形な建物形状に対し、コンクリート充填鋼管柱や斜め柱などを適所に配置した剛性バランスの良い架構計画としました。アスペクト比が4程度となる高層部では、地震時生じる引抜力に対し、設備階に設けた斜め柱による外周部への軸力移行や、厚さ1.80mの1階フラットスラブによるカウンターウェイトにより、免震支承の浮き上がりを抑える計画としました。
上部構造の偏心の影響を考慮した免震計画
企業の災害対策拠点になる建物であるため、大地震時における業務継続の観点から免震構造を採用しました。不整形な建物形状による地上階の重量偏心に対し、免震支承やオイルダンパーを適切に配置することで免震層の偏心を抑える計画としました。
内部空間の自由度を向上させる工夫
低層部のオフィス階では、自由度の高い執務空間とするために21.6m×23.4mの格子梁によるロングスパン架構とし、フラットバー方立や床用TMDを設けることで、歩行振動に対して配慮した計画としました。また、高層階では居室間に設けた粘弾性体制振間柱により、風荷重時における居住性の向上を図りました。
設備設計コンセプト
オフィス、研修所、寄宿舎の複合用途となっており、高効率な空冷ヒートポンプチラーを活用した中央熱源方式による空調計画、雑用水利用など節水に配慮した給排水計画、T-Zone Saver、Green BEMSやT-BC Controllerを組合せた電気設備計画を行っています。災害時には災害拠点として72時間の機能維持が出来るようガスタービン発電機1,500kVAによる広範囲の電源バックアップを行っています。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 井深誠、中藤泰昭、坪沼一希、山下唯、西尾聡志、藤本鉄平、鶴見博之、伊藤大輔、米澤俊樹 |
構造設計 | 渡辺征晃、渡邊祐一、古賀美宏、天羽祥太 |
設備設計 | 梶山隆史、藤田協二、中村真弥 |
電気設計 | 梶山隆史、有馬京吾、吉田幸生 |
法規 | 藤原稔 |