- 用途
- 高等学校、中学校
- 所在地
- 愛媛県松山市
- 延床面積
- 9,515.21m2
- 階数
- 地上2階
- Technology & Solution:
- 愛光学園
建築設計コンセプト
周囲の環境を最大限に活かしたオリジナリティー溢れる学び舎
周りの豊かな環境を最大限に生かし、この地でしか実現できない、オリジナリティー溢れる学び舎を目指しました。分棟型校舎「SCHOOL VILLAGE」は、本部棟、教室棟、教員棟などで構成されています。
本部棟 ~学園のエントランスゲート~
学園の品格を表現すべく円錐状の門をイメージさせるデザインとしました。2層吹抜けの「Welcome Hall」は学園の伝統と歴史に触れ合う場所となっています。
教室棟「School House」 ~緑に囲まれた我が家~
中学棟と高校棟に分かれており、学年ごとに独立した学び舎は、自分達の家で過ごすように感じられ、友達との連帯感も強くなると考えました。双方の窓により緑に包まれた教室は、省エネを考慮した最新設備を備え、自然と共存する快適な学習環境となっています。また学年ごとに、自学や友達との昼食など、様々な用途に利用できる「Innovative Lounge」を設け、「School House」の居間として活用できる仕組みを作りました。
リング状の廊下 ~永遠につながるコミュニケーション~
リング状につながる廊下は光を十分に取り入れ、見通しをよくしました。突き当たりがなく、生徒、先生のコミュニケーションを誘発し、永遠につながるという思いがこめられています。
教員棟 ~「School Village」を見渡す中心の棟~
「School Village」の中心に、職員室などがある教員棟を設けました。生徒と教員の距離を縮めることを意図したガラス張りとし、斜め柱の外郭構造を採用し、直径約30mを無柱とすることで見通しのよい空間としました。
友情の広場・学びの庭 ~交流の輪を広げる2つの中庭~
教室棟には2つの中庭を設けています。シンボルツリーやステージなどがあり、この庭を通して、学年を超えたコミュニケーションが育まれることを願っています。
このように、数々の「AIKO ORIGINAL」を盛り込み、今までにない、学校建築の概念を超えた建築を実現できました。
構造設計コンセプト
本部棟
平面形状は1階が直径32.8m、2階が直径33.8mの円形で、上方に向かって広がる逆円錐台形です。外壁の仕上げがRC壁にタイル貼りである為、建屋の構造をRC造としています。地震時に建屋が偏心しないように外周と内部にバランスよく耐震壁を配置しており、地震力は耐震壁が全て負担します。隣接する教室棟、教員棟とは屋内廊下で接続しますが、接続部はEXP.J により構造的に縁を切っています。
教員棟
2階部分は直径約30mの円形無柱空間とし、見通しの良い空間となっています。
水平力を建物外周部の斜め細柱で全て負担する外郭構造を採用しており、構造体がそのまま意匠のデザインとなっています。外周鉄骨は同一の柱梁ユニットの繰り返しとし、鉄骨製作の簡素化に努めました。
設備設計コンセプト
「T-Green BEMS」の採用によりエネルギー使用量を容易に把握できるようにし、環境教育への啓蒙支援もできるように計画しました。
敷地全体が複数系統の引込みになっていた高圧電力供給について、今回工事にて1引込に整理し管理を容易にしました。
屋外機器は耐塩仕様とし耐久性に考慮しました。水資源の有効活用を意識し、外構散水の水源は既存井戸を利用しています。空調方式は操作性および維持管理が容易な電気式ビル用マルチ(EHP)を採用しました。空調対象室近傍に室外機を分散配置することを建築設計と調整し、配管長を短くすることで配管からの熱ロスを低減しています。また、換気量が多い学校施設において、換気設備に全熱交換機を用いることで省エネルギーに配慮した計画としています。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 井内雅子、長谷川晃三郎、河合義之、小幡知哉 |
構造設計 | 島村高平、杉山雄亮、森田有貴 |
設備設計 | 村田義郎、清水賢、鈴木拓也 |
電気設計 | 村田義郎、山中康弘、入江俊介 |
ランドスケープ | 藤澤亜子 |