- 用途
- 美術館、飲食店
- 所在地
- 東京都新宿区
- 延床面積
- 3,955.65m2
- 階数
- 地下1階、地上6階、塔屋1階
建築設計コンセプト
超高層ビル群の足元に佇む、美術品としての建築
損害保険ジャパン本社ビル42階にあった美術館を移転し、敷地内の足元に新しく建築する計画です。立地する西新宿エリアでは、超高層ビルの足元における賑わい欠如が課題となっており、文化・芸術を発信する「アートランドマーク」となる美術館を目指しました。
類型的な造形ではなく、本社ビルに寄り添う彫刻的な佇まいの建築とし、低層には緩やかな弧を描く開口を設け、都市の風景と内部をつないでいます。
彫刻的な建築表現の追求
コンクリートと鉄によるひと塊の建築は、約2m×5mの鋼板を並べた型枠にコンクリートを打設して形成。鋼板には工場で20㎝間隔の化粧ビード(溶接跡)を施し、現場で溶接した鋼板の継ぎ目のビードと等間隔で並ぶことで、彫刻的な外観を実現しています。
コレクションであるゴッホの「ひまわり」が立体的な筆跡で描かれたように、ビードが施工者の筆跡として外観を埋め尽くしています。
構造設計コンセプト
高い剛性と耐力を持つRC造耐震壁付ラーメン構造を採用し、地震力地震時の建物の変形を低減しました。
展示室は、柱と耐震壁を同厚とすることで、展示空間を最大限に確保する計画としています。
外壁の鋼板は、地震力や熱収縮によるひずみやゆがみを抑制するために、耐震壁と一体化しました。
設備設計コンセプト
絵画に重要な空気質・温湿度に配慮した空調計画をしています。
展示室においては、電源と空調のBCP対策 、絵画盗難に配慮したセキュリティ計画 、演色性・グレアに配慮した照明計画を行っています。
担当
担当 | |
---|---|
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
展示室設計 | 株式会社丹青社・株式会社丹青研究所 |
監修 | 松下・樋口・翠 建築研究室 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 久保勝彦、川村信之、井深誠、中藤泰昭、内藤健吾、傳法一成、遠藤貴弘、東宮英明、渡邉ゆたか |
構造設計 | 新田隆雄、小林治男、一色裕二、青野英志、櫻井佑美、安田佳世 |
設備設計 | 竹内伸介、庄司朋子、鈴木拓也 |
電気設計 | 竹内伸介、三宅英司 |
インテリアデザイン | 遠藤太良 |
ランドスケープ | 山下剛史、加瀬泰郎 |
受賞
2021年 | 日本空間デザイン賞2021 サービス・ホスピタリティー空間 LongList |
---|