- 用途
- 病院(女性医療専門病院)
- 所在地
- 鹿児島県鹿児島市
- 延床面積
- 13,781.68m2
- 階数
- 地下1階、地上12階、塔屋1階
- Technology & Solution:
- 相良病院
建築設計コンセプト
隣接する神社と一体開発する先進女性医療専門病院
国内初となる、医療施設と神社の一体開発プロジェクトです。
外観は、高層部の円弧が街に開き、低層部の円弧は人々を優しく受入れ、包みこむ様を表現しています。
「和モダン」をコンセプトに計画し、色彩は鹿児島をイメージした炭色をベースに、日本の伝統色を用い、郷土色を表現しながら神社との調和を図っています。
建築計画においては、神社や桜島の景観を隋所に活かし、神社との関係性も重視しています。エントランスホールは神社との行き来ができるようにし、北側の待合や共用空間からは、神社の風景が楽しめます。
また、6階の空中庭園「望テラス」や南側の待合、各病室からは、桜島の全景が眺望できます。5階のブレストセンターは、楕円形の中に診察室を納め、新しい診療空間の提案を行いました。
11階には、がん患者を支援する「カドルハウス」を設置しました。がん患者を広く受入れ、カウンセリングやサポートを行い、不安や辛さを軽減することを目的にしています。
照明は、医療機能としての光源だけでなく、夜になると行灯のような優しい光を放ち、街区の中に癒しの風景を創り、ランドマーク性を高めています。
当病院は、今後他国にも進出予定であり、先進女性医療の高い技術を世界に発信するにふさわしい、機能とデザインを実現しています。
構造設計コンセプト
発注者の要望で保有水平耐力を必要保有水平耐力の1.25倍以上としています。
基本的な構造種別を鉄筋コンクリート造、架構形式を純ラーメン構造とし、基準スパンはX方向9.0または6.0m、Y方向5.55~10.65mとしていますが、12階とR階の一部で16.4mのロングスパンを実現するために鉄骨梁を採用しています。
また、メインエントランス側低層部のファサードが軽快になるよう、400Φの鋼管柱を採用しています。
既存建物を使いながらの施工であったため工事は2期に分かれ、高層部を1期、低層部を2期として施工、1期完成後には仮使用で病院を開院することを念頭に構造計画を調整しました。
設備設計コンセプト
当プロジェクトは既存病院を使用しながらの、ローリング建替工事であったため、ローリング計画に合わせ病院機能を構築する設備計画としました。また、街中の高層病院であることから主要設備機器は1期工事に竣工する高層部の屋上に集中設置する等、効率的な設備計画を行いました。
災害時にも病院の重要機能を維持する設備計画として、津波による浸水対策を行った上で、災害時の保安電源の確保と入院エリアの空調稼働を可能とするシステムを構築しました。停電対応として導入したマイクロコージェネレーションは、排熱を利用することで省エネルギーにも寄与する計画としました。
担当
担当 | |
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 井内雅子、長谷川晃三郎、松村秀幹、石川真吾(前期) |
構造設計 | 池間典一、鈴木太一郎、篠崎主弥 |
設備設計 | 龍英夫、福田大空、矢後佐和子 |
電気設計 | 龍英夫、松村保彦 |
インテリアデザイン | 粟野寛 |
ランドスケープ | 藤澤亜子 |
受賞
2020年 | 第6回 鹿児島市景観まちづくり賞 建築部門 |
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