ロイジェント パークス ハノイ
- 用途:サービスアパートメント、ホテル
- 所在地:ベトナム ハノイ
- 延床面積:23,528.58m2
- 地下2階/地上24階
建築設計主旨
2005年より、当社開発本部がベトナムハノイ市にある当社現地法人ビナタ社が保有していた土地の開発計画を進めており、
2014年に大和ハウスと当社開発本部で事業合意をし、今回のサービスアパートの建設を開始しました。
客室は、以下の4タイプとなっており、短期出張者から長期滞在者まで幅広い層をターゲットとしています。
・ホテル・シングルタイプ
(スタジオ:27・35m2)
・サービスアパートメント・シングルタイプ
(ワンルーム及び1ベッド:35~54m2)
・サービスアパートメント・ファミリータイプ
(1/2ベッド:61~81m2)
・サービスアパートメント・ファミリー・エグゼクティブタイプ
(スタジオ、1ベッド及び2ベッド:61~104m2)
付帯施設としては、ジム、屋外プール、和食レストラン・バーに加え、和風大浴場を備えています。
また、高さ7.5mx幅6.7mのガラスモザイクでハロン湾を描いた壁を持つエントランスホール、屋外プールサイドにはベトナムの著名な建築家ボー・チョン・ギア氏とコラボレーションしたパビリオンを配し、滞在者が施設の中で快適に過ごせるような「和」を感じる空間と、ベトナムに居ることを感じられる空間を施設内に設けることで、他の競合施設との差別化を目指しました。
構造設計主旨
地震の少ない海外にあるサービスアパートメントとして、可能な限り階高を抑えるように、ポストテンションによるフラットスラブ構造を採用することで、一般階高を3.4m、天井高さを2.7mとしています。
地震や風等の横力に対しては、長期軸力を負担するベアリングウォールを耐震要素とすることで、耐震性能を高めると共に、効率よく床を支持する架構計画としました。
フラットスラブとベアリングウォールを同時に採用することで、梁型や柱型のないすっきりとしたフォルムを実現すると共に、施工時の型枠工事を簡略化できるように配慮しました。
また、床厚を250mmとすることで、室内の遮音性能を高めました。
設備設計主旨
安全・安心で快適なハノイライフの一助となるサービスアパートの設備計画としました。
ハノイ中心部であるものの、インフラがやや脆弱で、豪雨時等の冠水対策が必要な立地であるため、冠水時にも地階への水の侵入や排水の逆流を防ぐ計画としました。
心地よいエントランスの吹抜け空間や、この施設の売りのひとつでもある和風大浴場では、インテリアと融合した設備計画としました。
また、エントランスやレストランでは、ガラス面からの日射取得熱による熱だまりなどの不快な空間を作らないように空調設備を配置しています。
客室は、サービスアパート部分とホテル部分とを、将来ある程度切り替えられるように、計量器の設置に可変性を持たせています。
高級感のある心地よい客室にふさわしく、客室の給湯設備やコンセント、エアコン等を熟慮しました。
ベトナムでは水道水を直接飲む習慣はありませんが、上水にろ過設備を設けて上質な水の提供を図っています。
セキュリティ設備については、セキュリティレベルの考え方を整理し、管理運用面にも配慮しています。
インテリアデザイン設計主旨
日本人が安心して利用できるサービスアパートメント兼ホテルという要望から、全体のインテリアをまとめています。1階に庭に面した大浴場を設置し、リラックスして日本を感じられるエリアとして、天井の木の梁や、外庭、竹のアクセントなど和を感じる要素をふんだんに盛り込みました。
また、ハノイの立地から、ベトナムを代表する世界遺産のハロン湾の風景をモチーフにした大型ガラスモザイクに間接照明の光を組み合わせ、光の壁で利用者を温かく象徴的に出迎えています。
館内のエリアデザインは、ハロン湾のガラスモザイクアートを中心とし、海へたどり着くまでの川や滝、水などをモチーフとして構成しています。
客室プランのバリエーションが多様にあり、長期滞在のシングルの方やファミリーの方、ホテル利用のみの方など多様なニーズに対応することが可能です。
仕上素材は、地産地消で、現地で手に入る材料を中心に選び、家具についても客室はニトリのベトナム工場で製作し、日本と変わらないクオリティとなっています。
ベトナムで手に入るタイルは、デザイン的によいものが安く手に入ることもあり、積極的に活用しました。
担当
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基本設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
実施設計 | ベトナム現地法人(VINATA International) |
工事監理 | コニンコ |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 尾島寛和(開発計画時)、荒巻剛哉、北岡治、山村修平、新井拓 |
構造設計 | 太田雅昭、土本耕司、宮原貴昭 |
設備設計 | 高木淳、小澤弘和、有賀秀典 |
電気設計 | 高木淳、内田元、有賀秀典 |
インテリアデザイン | 大野博文、遠藤太良、長崎仁美 |