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WORKS 2017

大成建設横浜支店ビル リノベーション

用途:事務所
所在地:神奈川県横浜市中区
延床面積:9,339.79m2
地下:2階/地上:7階

設計主旨

当社横浜支店が「みなとみらい」から「関内長者町」に移転となり、移転先となる1973年竣工オフィスビルの リノベーション計画です。
既存ストック活用が課題となっている社会背景を踏まえ、中規模オフィスビルの活用事例として当社モデルとなるリノベーションを目指しました。
「活気のある明るい横浜支店」をテーマにメンバーのモチベーション向上を図り、来訪者も接するビル全体共用部のエントランス・ホール・エレベータ・階段・トイレなど既存ビルの築古イメージを一新させました。

移転前はワンフロア専有オフィスでしたが、移転先では支店部門が縦積みに分割されることで、コミュニケーションのとりづらさが懸念されました。
そこで「グッド・コミュニケーション」を誘発する装置となるように、セキュリティ内に既存スラブを開口した連絡階段を新設しました。
ガラススクリーンの階段はタテ・ココ・ナナメのコミュニケーションが自然と生まれ、部門が並列していた移転前のフロアよりもコアな動線、新たなスペースを生むことができました。

事務室の執務エリアはシンプルで白を基調とした開放感のあるスケルトン天井としています。
執務エリアと連続する執務内共用エリアはあえて天井を張り、連絡階段を中心に温かみのある木調仕上、暖色系の色温度に変えた照明、居間感覚の家具、アクセントカラーを施し各フロアのコミュニケーションゾーンとして印象づけています。
地下階は、「TAISEI YOKOHAMA LOUNGE」を新設しました。
支店管内の内外勤社員・大成グループ社員・全社対応の人材研修センターのコワーキングスペースです。
ラウンジにはガラススクリーンのオープンな会議室も併設され、キッチンを配しミニパーティなど多様な催しも行なえるコミュニケーションスペースです。

当リノベーションでは、コミュニケーションを重視した「働き方」の場を具現化しました。
計画段階から個別インタビューなどを通し、メンバーの思いを建築につなげたことにより、今回のリノベーションがオリジナル性の高いオフィスのスマート・ウェルネス化につながりました。

快適性、省エネ性向上
既存ビルをスケルトンに戻すことで外壁部の断熱を施し、開口部は2重サッシ、LOW-E複層ガラス化を行うことで、外皮の高断熱化を行い快適性の向上を図ってます。
また、高効率空調機やLED照明化により建物のエネルギー消費量を削減し省エネ性をさらに高めています。

窓際ブレース活用
既存ビルは新耐震基準以前の建物であるため、すでに鉄骨ブレース補強と柱の炭素繊維補強による耐震補強を施している建物です。
この耐震補強後の既存ブレースとサッシにはさまれたデッドスペースの窓際活用として、災害時の消防隊進入経路(非常用進入口)を確保した段状の木製カウンターを造作家具で設け、アクセントカラーを配した既存ブレースで適度に囲まれた窓台としました。
事務室内の執務内共用エリアとして、連絡階段まわりとは違った自然光が入るコミュニケーションスペースです。

担当

大成建設担当者
建築設計 東宮英明、安本善理、和田真
構造設計 渡辺征晃、赤木光志
設備設計 竹内伸介、山下盛久
電気設計 竹内伸介、吉永實、上桐理佳