サンシャイン水族館 天空のオアシス第二章
- 用途:水族館
- 所在地:東京都豊島区
- 延床面積:7,765m2(水族館)
- (改修部分面積:1,050m2)
- (サンシャイン60ビル)地下5階/地上60階
- (ワールドインポートマートビル)地下5階/地上11階
- (改修部分:地上10階)
建築設計主旨
今回のプロジェクトは、2011年の大規模リニューアルの翌年頃からブレインストーミングを始めました。
メンバーは、前回同様水族館プロデューサーの中村元氏、飼育メンバー、前回の設計者と施工者で始まりました。
コンセプトである「天空のオアシス」を継承し、前回あまり改修しなかった屋外の出口側を全面リニューアルしました。
歳月を経て鬱蒼とした南国の庭園を思わせる前回エリアから、開放感のある緑と水を印象的に使った水槽をメインとしました。
まるで空を飛ぶような「天空のペンギン」(世界初の展示)、実際に生息する草原をイメージした「草原のペンギン」(世界初の展示)、渓流のカワウソの生態を観察できる「カワウソたちの水辺」、淡水魚の「きらめきの泉」、ペリカンを下から眺める「天空パス」の5つの水槽を新しく作り、その場にふさわしい植栽を配置することで、「天空のオアシス」は完成しました。
何度も改修・増設を繰り返し厚くなった保護コンクリートは所定の厚さに戻し、不要な設備機器類も撤去することで、今回のリニューアルと釣り合う荷重を捻出し、今までにない大きな水槽が実現できました。
「天空のペンギン」に午前中の太陽光が入り込んできらきらと煌めく波の間をペンギンたちが泳ぎ回るさまは、サンシャインの名にふさわしい光景となっています。
夜間は青いLEDを中心にして、幻想的な雰囲気を作り出しました。
また3D音響とハイレゾシステムを組み合わせ、こちらも世界初の環境音場を作り出しています。
音響・音源設計はスペース・ラボの一員の瀬戸勝之氏に協力をお願いしました。
構造設計主旨
「天空のペンギン」は、前面と背面がアクリルパネルとなっています。
背面は約10.5m、前面は約12mの幅のアクリルパネルを梁せい40cm鋼管で支えることで、視界を遮らない構造体としています。
「天空パス」は、平面半径約21mの円弧形状で、約2m間隔のT形片持ち梁でアクリル水槽を受けています。
いずれの架構も観客の視線に配慮しながら、臨場感あふれる空間を実現しています。
地上部の架構とは別に、ウッドデッキの下では、下階の梁の直上に重量を伝えるべく、縦横無尽に根太と大引きが複雑に渡されています。
水槽の配管も避けており、開放的なウッドデッキ上の空間に比べて、びっしりと鉄骨と配管で支えられています。
担当
担当 | |
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計画コンセプト | 中村元(水族館プロデューサー) サンシャイン水族館 |
設計(建築・構造) | 株式会社三菱地所設計 大成建設株式会社 |
設計(設備) | 株式会社三菱地所設計 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 尾畑剛、渕清和 |
構造設計 | 井上慶一郎、百武亜希子 |