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WORKS 2017

CHANEL GINZA NAMIKI

用途:物販店舗、サービス店舗
所在地:東京都中央区
延床面積:1,431.28m2
地下:1階/地上:10階

建築設計主旨

銀座の並木通り・みゆき通りの角地という視認性の高い場所に建つ建物としてふさわしい、シャープかつ品のある外装デザインを目指しました。
外観は、シャネルのブランドカラーである白と黒の箱をランダムに積み上げたイメージを表現しており、フロアレベルとは無関係に配された大小様々な開口部を持つファサードは、ブランドのアイデンティティを表出する外装デザインとともに、賑わいを演出しています。
押出成型セメント板のレールファスナー構法による黒のアルミカットパネルとの対比として、開口部は高透過ガラス、フィルム、白のレースカーテン、LED間接照明の構成により、限りなく白く見えるよう意図しました。
ガラスジョイント部分は、3枚の合せガラスを金物で引掛けるディテールとすることで方立を消し、シンプルかつ高品質な外装を実現しています。
店舗有効面積確保のため、避難階段はX階段としコンパクトに納める一方、1階から3階には開放的な店舗階段を設け、ブティック間の縦動線を確保しました。
インテリアは、外装同様に白と黒を基調に、大理石やSUSパネルを始めとした高級感ある厳選された素材を極限まで研ぎ澄まされたシンプルなディテールにて作り込んでいます。
各素材の取合う部分のディテールや照明計画・設備計画にも細心の配慮を行い、建物の隅々まで密度の高いデザインを展開しました。

構造設計主旨

店舗インテリアに対して可能な限り自由な空間を確保し、デザインと融合する構造架構を実現するということが課題でした。
シンプルなラーメンフレームと制振性能を高めた「制振コアフレーム」の並列により、スリムな部材で架構を構成することを可能とし、課題を解決しました。
「制振コアフレーム」とは、低層階に座屈拘束ブレース、上層階にハイブリッドダンパーを配置し、2種類の制振ダンパーを建物の変形性状に応じて効果的に配置した制振架構であり、効率的な制振効果を発揮させることが可能です。
特に上層階に配置したハイブリッドダンパーは強風時には粘弾性体が、大地震時には摩擦接合部が揺れを吸収するすることで、風外力と地震力の両方に対して振動抑制効果が得られます。また、10階にTMD(チューンドマスダンパー)を設置することで更なる居住性の改善を図っています。制振構造の採用により建物振動をしっかりと制御することで、安心・安全な建物を実現しました。

設備設計主旨

LEED(certified)の取得、外装・内装デザインへの配慮をポイントに設備計画を行いました。
主な取組みとして、高効率型空冷ヒートポンプによる空調・全館LED照明の採用により、エネルギー性能をベースライン建物に対し約15%の削減に成功しました。
また、節水型水栓器具の採用により水使用量の20%削減を可能としました。
外装ファサードデザインへの配慮として、ガラリの前面にパンチングメタルの外装を設けることで、違和感のない外装システムとしました。
また、排煙ファンと連動して開く給気窓を設けることで、機械排煙時のシートシャッターの圧力差をなくし、性能を確保した計画としました。

担当

担当
デザイン監修 Peter Marino Architect
シャネル設計スタジオ
AE建築設計事務所
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 高橋章夫、花村明秀、福永純雄
構造設計 早部安弘、一色裕二、野々山昌峰
設備設計 久保田祥彰、渡辺睦典、清水亜美子
電気設計 久保田祥彰、西村英俊

社外受賞

2018年 2018年度 日本建築家協会優秀建築選(100選)