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WORKS 2016

パイオニア本社ナレッジセンター

用途:事務所
所在地:大阪府東大阪市
延床面積:1,169.68m2
地上:7階

建築設計主旨

パチスロのゲーム開発を行うオフィスと会社の厚生施設、社長の宿泊施設など、多要素で構成される施設の計画です。
今回、それら多くの要素をひとつの建物でつなげるものとして「無用の用」の空間をつくり、それが外装に表出したデザインとしています。
ランダムにえぐりとった7つの穴は、外部と内部を曖昧につなぎ、建物に深みや個性を与えています。
あえて用途をつくらないこの空間は、内部においては吹抜空間として、見る見られるの視線の交差により、必然的にお互いの存在を感じる仕掛けとなり、ひとつ屋根の下で建物全体が家族のようにつながる建物を目指しました。
外装材は、亜鉛めっき鋼板リン酸処理仕上げを選定し、パネルを面として見せるために底目地ではなく、同面の納まりとすることでえぐりとった穴を強調しています。
その外装イメージである「深み・厚み」を内部にも踏襲し、オフィスフロアは陰影を感じさせるモノトーン、厚生施設フロアはアプローチで使った木目を取り入れることで、全体の統一感を演出しています。

構造設計主旨

北側外壁面は、あえて耐震要素を設けず2次部材(耐風梁・間柱)で構成し、ランダムなファサードを実現しています。
水平力は東西側のフレームで受けることで北側柱断面を小さくすることができ、壁で構成されているようにみせる工夫をしています。
また、東西の柱位置に設備シャフトの機能をもたせ、構造柱が見えないワンルームとすることで、小規模でありながらも広がりのあるオフィス空間としています。

設備設計主旨

高速道路からの音や視線に対しては、バルコニーが緩衝帯となり、北側は常にブラインドなしで開放することで、落ち着いたオフィス空間が成立しています。
南側はあえて地窓とし、日射や視線の制御を図っています。
また、建物の照明はすべてLED照明を使用し、自動制御による昼光利用を採用しています。
白色と電球色の2種類の色温度を設定し、オフィスエリアと多目的エリアを視覚によって気持ちの切り替えができるよう計画しています。
高速道路に面した立地において、夜間は象徴的にライトアップされた7つの穴が行燈のように浮かび上がり幻想的な印象を与えています。

担当

大成建設担当者
建築設計 平井浩之、本家公巳子
構造設計 山﨑英一、杉山雄亮
設備設計 根本昌徳 湯浅孝
電気設計 根本昌徳 坂下泰士

社外受賞

2016年 第8回 建築人賞 奨励賞
2017年 2017年度 日本建築家協会優秀建築選(100選)