HOME > WORKS2015 > 香川証券鳴門支店

WORKS 2015

香川証券鳴門支店

用途:事務所、寄宿舎
所在地:徳島県鳴門市
延床面積:585.24m2
地上:2階

建築設計主旨

本施設は、1954年より永く地域の人々に親しまれて来た旧鳴門支店の老朽化に伴い、また香川証券創業95年、創立70周年記念事業の一環として計画されました。
外観デザインは、せっ器質タイル張りの外壁、アルミサッシュ、アルミハニカムパネルの庇によるシンプルな構成で、ロードサイドに沿って水平に長く延びるデザインを意図しています。
メイン・ファサードが西側に面している事から、西日対策として遮熱LOW-E複層ガラスを採用し、庭園に向けて最大限の開口を設けています。
また、2階部分は閉じた箱の表現として上下対比的な構成としています。
水盤を有した庭園は、金融店舗としての佇まい・品格を表現すると共に、内部のロビーや多目的ホールからも楽しむ事ができます。
水面の揺らぎが天井面にも映り、ゆったりとした非日常の空間を演出してくれます。
素材感を活かしてデザインされたロビーは、天井高さ 6.0m、2層吹抜けとなっており、ゆとりのある開放的な空間となっています。
執務空間との間仕切りに用いたガラススクリーンに設置された6台のマルチモニターにより、株価や為替などの金融情報をリアルタイムに見る事が出来ます。

水盤に張り出すように配置した平屋部分は、多目的ホールになっており、通常の接客以外にも講演会やセミナーなど様々な用途に利用出来る空間としています。

構造設計主旨

1階の事務所および2階の住居部分は堅牢性、居住性に配慮した鉄筋コンクリート造とし、水盤に面するガラスで覆われた多目的ホールは軽快さを出すために鉄骨造とした混合構造を採用しています。
鉄筋コンクリート造部分は壁量の多い耐震性に富む架構としており、水平構面を固めた鉄骨造部分からの地震力も負担させることで、多目的ホールは細い鉄骨柱のみとし、空間に開放感を与えています。
鉄骨架構の屋根は母屋とブレースを小梁せいの間に納めることで薄い屋根を実現し、アルミハニカムパネルの庇から連続する浮遊感を損なわない架構としています。

設備設計主旨

西面の大きな開口部と吹抜けで構成された空間を効率よく空調するために、壁面と床面から吹き出すことで居住域空調を実現しています。
また、吹抜け空間の熱気を冬はサーキュレーターによる吹下し+ダクト扇にて1階に吹出すことで暖房効果を、夏は屋外に排出し冷房負荷の削減を行っています。
照明計画では全てをLED照明器具とし、省エネルギー性を考慮するとともに、電球色を主体とした柔らかな雰囲気が出るよう配慮しています。
外構照明と室内の柔らかい明かりが外部に漏れだすことにより、夜も情緒的な雰囲気を作り出しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 伊藤真樹、長嶋哉子
構造設計 渡邊諭
設備設計 鈴木真人