アース環境サービス 彩都総合研究所T-CUBE
- 用途:事務所、研究所
- 所在地:大阪府茨木市
- 延床面積:6,679.48m2
- 地上:4階
建築設計主旨
高度環境技術を研究蓄積し、情報化発信するビジネス創造拠点
当研究所は、施設の防虫・衛生管理から医薬品製造のクリーン制御等、多彩な高度環境技術を研究蓄積し、その技術を情報化しグローバルなビジネスとして展開する他に類を見ない最先端研究所です。
ここでは、高度化・グローバル化する医薬品業界において、様々な分野の研究者が環境制御技術について、体験/学習/情報交換し、そこで得られた知見を蓄積・応用することで新たなビジネスを生み出すことを目的としています。
T-CUBEは、来訪者が学び、製造実習できる「ウェルカムキューブ」と従業員である研究者が分析・実験する「ワーキングキューブ」から構成されています。
これらの2つのキューブが交わる部分に、大小様々な見学・交流空間を施設全体に張り巡らせることで、各層の異なる機能をつなぎ、事業内容である環境サービスの見える化を図っています。
このように、製造施設と実験施設、研修施設が融合し、研究者と来訪者のイノベーティブな交流を活性化・最大化することを目指した新しいビルディングタイプとなっています。
構造設計主旨
フレキシビリティを確保した構造計画
ISSフロアを上部からの吊り構造とすることで柱を減らし、4階医薬エリアに30m×25m、実験エリアに25m×20mの無柱空間を構築しています。
また、製造装置の将来設置を考慮して床荷重を0.5t/m2、全面防水対応とすることで将来の改修に対応したフレキシブルな構造計画としています。
さらにXY両方向に座屈拘束ブレース(シェイプアップブレース)を配置し、建物全体の剛性を高め、地震や台風等に対して揺れの少ない建物としています。
設備設計主旨
厚生エリアは、「和のぬくもり」を照明コンセプトに、光源は電球色を中心に選定し、壁面や樹木など素材やシルエットを照らしあげる演出を行っています。
また全館LEDを採用し、照度を抑えながら明るさ感を確保した省エネ計画としています。
食堂は大空間のため、空調用開口の形状と位置を工夫し、ペリ空間は梁と一体化したチャンバー構成により、コンパクトかつ美観性に優れた吹出し口としています。
生産エリアは作業性を考慮して昼白色の光源を採用し、食品工場であるため埃だまりの少ないクリーンフーズ用LED照明を選定しています。
空気の取入れは、中性能フィルターを介し、防虫対策を行っています。
担当
大成建設担当者 | |
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建築設計 | 平井昌志、古市理、鬼頭朋宏 |
構造設計 | 出雲洋治、森田泰治 |
設備設計 | 岩村卓嗣、岡部裕之、深田昌代、栗原昴、岡田清嵩 |
電気設計 | 岩村卓嗣、田口英幸、近森真洋 |
社外受賞
社外受賞
2016年 | 第29回 日経ニューオフィス賞 近畿ニューオフィス奨励賞 |
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2016年 | 平成27年 照明普及賞 |
2016年 | 第50回 SDA賞 空間・環境表現サイン部門 入選 |
2017年 | 第19回 グッドペインティングカラー 新築部門 特別賞 |
2017年 | 平成28年度 おおさか環境にやさしい建築賞 事務所部門賞 |
2018年 | 第37回 大阪都市景観建築賞 奨励賞 |