東海大学湘南校舎18号館
- 用途:大学
- 所在地:神奈川県平塚市
- 延床面積:14,204m2
- 地上:8階
建築設計主旨
コミュニケーションを促進し知的生産性を向上させる空間デザインの創出
東海大学の理工系再編成計画のスタートにあたる本建物は、「Good Communication」をメインテーマとし、「人と人とが自然と出会うオープンな空間づくり」、「動きの中から様々な情報に触れることが出来る空間づくり」、「研究の成果を学内外に広くアピールできる空間づくり」を設計のメインコンセプトとし、学生や教職員のコミュニケーションを活性・流動化させる施設を目指しました。
建物の構成は基礎教育を学ぶための大型実験室とPC教室、専門教育をより深く学ぶための研究実験室からなり、今後のグローバル化に対応できる幅広い知識を有した研究者を生み出すべく、施設全体がゆとりあるコミュニケーションスペースとして機能するように配慮し、見通しのよいプランニングや間仕切りのガラス化など徹底した見える化を図り、コミュニケーションの誘発する工夫を施設計画に施しています。
建物外観は既存校舎との調和を図るため、白色を基調とした外装にバルコニーで水平ラインを強調し、垂直ルーバーによって東海大学のシンボルマークをデザインモチーフに取入れています。
機能性とデザイン性を兼備えたファサードは、歴史あるキャンパスのデザインコードを継承しながらも新たなアイデンティティを表現しています。
構造設計主旨
合理的な構造計画により安全でフレキシブルな室内空間の構築
同一の平面形状が積層したバランスの良い箱型のボリュームに純ラーメン構造の強固なRC造を採用しています。
RC造でありながら長スパン化を実現するため、梁には鉄骨造とRC造の複合構造梁(C.S.Beam)構法を用いることで、16.5m×53mのフレキシブルな無柱空間を実現しています。
基礎には高性能免震システム(ハイブリッドTASS)とオイルダンパーを組合せ、将来起こりうる地震に対し人命や実験データ等の知的財産を守るほか、免震構造の効果により柱・梁サイズの軽減を図り、より使い勝手のよい室内空間になるよう設計しています。
更に梁や床版の構造体にプレキャスト化を実施することで、高品質、高精度、高耐久性に優れた構造体を構築し、工期の圧縮や無足場化など労務不足の対策にも繋がり、産業廃棄物の削減や環境配慮にも寄与しています。
設備設計主旨
環境配慮技術を導入し社会にアピールできる施設を実現
高効率設備の導入や自然エネルギーの積極的な利用、外部負荷の低減など様々な環境配慮への取組みによってCASBEE最高ランク「S」の環境性能を取得しました。
高効率設備として、施設の特徴に合わせた個別方式の空調システムを、照明器具においては全館にLED器具を採用しています。また自然採光、自然換気、太陽光など自然エネルギーの積極的利用や、日射遮蔽による外部負荷低減等で、地球環境に配慮した工夫を施しています。
担当
大成建設担当者 | |
---|---|
建築設計 | 松村正人、上甲孝、長谷川晃三郎、斎藤洋平 |
構造設計 | 井上慶一郎、大石哲哉 |
設備設計 | 福田浩、上田泰史、矢後佐和子 |
電気設計 | 福田浩、星野顕、若土幸喜 |
社外受賞
2015年 | 第48回 SDA賞 公共サイン部門 入選 |
---|---|
2015年 | 平成26年度 温暖化対策計画部門 かながわ地球環境賞 |