オンワードパークビルディング
- 用途:事務所
- 所在地:東京都中央区
- 延床面積:18,604.60m2
- 地下:2階/地上:17階
建築設計主旨
アパレルブランド、オンワードホールディングスの本社ビル建替計画です。
企業のイメージを表現するために、「良質な生地によってつくられた衣類を纏ったイメージ」の外装デザインを目指しました。
外装を特徴づける「構造体PC柱」と「縦横に交差した日射遮蔽用アルミルーバー」は、縦糸・横糸によって織り上げられた上質な生地の様相を表現しています。
さらにPC柱の表面に対して柔らかいドレープ模様を付加することで、見る視点や距離、時間帯によってさまざまに外壁の表情が変化していきます。
外装のドレープ模様や縦糸・横糸のイメージはインテリアにも反映されており、企業を象徴するデザインコードによって、建物全体をトータルにデザインしています。
PC柱による外殻構造体というメリットを最大限に生かした事務室は、外壁側にも柱の存在を感じさせないため、非常に使い勝手の良い無柱空間となおり、快適なワークプレイスを実現しています。
また総合設計制度の採用により、建屋低層部には地域貢献施設、建物周辺には公開空地を配置した計画となっており、地域にとってもアメニティの高い施設となっています。
構造設計主旨
建物外周に3.6m間隔で配置されたデザイン性の高いPCa部材を壁柱として利用し、S梁を用いたTASMOフレームとすることで高い建物剛性を確保しています。
この「S造ラーメン架構で構成されたコア部」と「PC壁柱」の間を、ロングスパンのS梁で支持することにより柱型のない無柱空間の実現に寄与しています。
また、大地震時においても機能を維持し、十分な安全性を確保するため免震構造(ハイブリッドTASS)を採用しています。
さらに、知的制振システム(TASMO)を併せて採用したTASMO-HD構法とすることで、レベル2を超える巨大地震に対しても高い耐震安全性を確保しています。
設備設計主旨
積極的に環境への配慮を行う最新のオフィスビルを目指しました。
当社独自の「見える化」システムとして、T-Green BEMSを導入しています。
デマンド制御を実行可能なT-Green BEMSの適用第1号プロジェクトとなっています。
上記のBEMSを採用したことにより、電力ピーク時に共用部の照明や空調温度を自動的に緩和し、デマンドを低減することが可能です。
事務所部分の照明は全LED化を達成しました。また太陽光発電設備10kWを屋上に設置しています。
空調設備には冷暖フリーEHPマルチ方式+直膨コイル付全熱交換器を採用し、省エネとフレキシビリティに配慮したシステムとしています。
さらにBCP対策として、非常用発電機を装備し、保安負荷に対して72時間電力の供給が可能な計画となっています。
ランドスケープ設計主旨
周辺の都市環境と一体となった外部空間づくりをテーマにランドスケープ計画を行っています。
石舗装を中心とした正面エントランスは、建物内外の石材のプロポーションをそろえることで、一体感と広がりのある明るい空間に設えています。
建物両側の街路には、葉が小型で葉色の明るいシラカシとシマトネリコを街路樹に採用し、足元に季節感のある地被植栽を施すことで、歩いて楽しめる街路空間として地域の歩行者ネットワークの連続性に配慮してています。
公開空地として計画されたオープンスペースでは、限られた空間の中に高木を中心に緑量を確保しつつ、建物の圧迫感の緩和を図っています。
また落葉高木アキニレの列植による緑の天蓋の下は、建物のファサードデザイン要素であるストライプ模様を用いた明るい色の舗装をベースに、建物際に生垣とベンチを直線的に配したシンプルな構成とし、ビル群に囲われた街角空間を歩道と一体的なスペースとしてより快適に利用できる居心地の良い広場として設えています。
担当
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基本計画・デザイン監修 | 株式会社日建設計 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 山本実、服部光宏、芦谷公滋、内藤多加志 |
構造設計 | 新田隆雄、小林治男、大石哲哉、櫻井佑美、大和伸行 |
設備設計 | 豊原範之、久保田宗人、 藤村淳一 |
電気設計 | 豊原範之、小林徹也、坂下泰士 |
ランドスケープ | 蕪木申一、山下剛史、宇高道雄、林秀一郎 |